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そして、ついに始まった正式な私の幹部補佐入りの式典。
仲のいい国から来賓も呼び、テレビでの国内全国区放送だけでなく、インターネットでの生中継も行っているそうだ。
全て、私のために。
「ほら玲、今日はあなたが主役なんだからもっと笑って！」
『ひえ･･･』
「エリーノさん、それもっと追い詰めてるんじゃ･･･」
「あら？」
メイド長であるエリーノに綺麗におめかしさせてもらって、横にはヘレンもいる。
この城で1番敷地が広い訓練場を片付けて席を用意しているらしいが、控室からその様子を覗くとすでに見慣れた訓練場は正装の身分が高そうな人々で埋まっていた。
全て、私のために･･･
来てくださった方への感謝も大きいが、私はエリーノやヘレンのように可愛らしい顔立ちをしているわけでもないし、各国のお姫様やモデルさんのように美しい身なりをしているわけでもないため、意外と普通でがっかりさせないかという不安もある。
なんか、申し訳ないというか。
「なーに怖気付いてんの。あんたはもう幹部補佐でしょ。シャキッとしなさいよ」
『わっ！？』
顔を青くして震える私に気づいたのか、後ろからばちんと背中を叩かれる。
ひりひりと痛みが残るけど、それは叩いた側も同じこと。
「痛たた･･･あんたの背中硬いわね･･･」
『･･･あはは！鍛えてますから』
「！、なんだ、笑えるじゃん」
「そうだよ！そのぐらいリラックスして！」
渾身のドヤ顔を見せつけると、にやりと口角を上げて近づいてくるヘレンと、花を咲かせたように可憐な笑顔を見せるエリーノがいた。
なんか、2人のおかげで頑張れそう。
「さ、可愛くしてもらったんだしそろそろ時間でしょ」
可愛くしてもらったと言っても、幹部でお揃いの黒い軍服に、髪型を少し整えてもらっただけ。
でも艶がある革製の軍服は不思議と背筋が伸びるし、いつもより纏まりがある髪は手慣れたエリーノの腕前が出ていると言える。
それに少し嬉しくなって笑いを堪えていると、大きな音を立ててドアが開いた。
「玲！！！時間やで！！！」
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