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side玲
そして、いつかゲームをしにお邪魔したエーミールさんの執務室にお邪魔したものの。
「私、大学の教師をしていたことがあるんです。だから、教えることができる存在がまたできるなんて思ってもいませんでした。困ったことがあればいつでもここへ来てくださいね」
『は、はひ』
「･･･」
気まずい。
薄れかけた湯気が揺れるティーカップは、持つたび震える。
『あの、エーミールさんからの研修というのは･･･』
「えっ！？あ、ああそうでしたよね。すみません。でも私本当に仕事があるのは戦争の時だけで･･･なので、お伝えすることをお伝えしたら、また雑談でもしようと思いまして」
でも、玲さんのお顔を見ると話したいことが押し寄せて、結局雑談よりになってしまいますね。と続けた。
結構サラッと恥ずかしいこと言ってしまうんだねこの人。
「私の本職は作戦計画なんです。なので仕事があるのは戦争の時だけ。それはそれで忙しいですが･･･先日お聞きしたオスマンさんの仕事と、少し似ていますかね」
「でも、オスマンさんの仕事とは別物なんです。彼はあくまで話し合いをする立場。私はこの部屋から前線に参加しているんですよ」
『なるほど･･･』
「まあ詳しいことは正式に補佐の立場になってからでも遅くないので･･･」
『そうですか･･･それは、楽しみですね』
「どういうことです？」
少し驚いたような、少し怪訝そうな、そんな顔で首を傾げる彼。
色素の薄い瞳を輝かせる。
『どうって、エーミールさんがご自分のこと話される時は、いつも楽しそうですから』
そのあと、火を吹くように勢いよく顔を赤らめたエーミールさんから熱い戦略論を語られ、夕飯が9時を過ぎたのはまた別の話。
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