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sideトントン
『今夜はちゃんと寝て、疲れとって、ね』
ぎこちないタメ口調を並べて柔らかく笑う新しい仲間。
俺、あいつにさえわかってまうほど酷い顔してたんかな･･･
あの声が頭の中で反響する。
あいつも、あいつなりに心配しとるんや。
それは俺の顔を見たあいつらの表情と並べてもおかしくないぐらいで。
『ま、多少休んだらその後の進みも良くなるやろ』
久しぶりに自分のベッドに埋もれた。
重い布団が体温と馴染んでいく。
あいつはそろそろ飯を食う頃か。
そういえば最近、腹の減りもわからんくなってたな。
布団に溺れるように目を閉じていた。
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side玲
『おばちゃん、いつものください！』
「はあい！玲ちゃん･･･じゃなくて、玲様かしら？」
『今まで通り玲ちゃんって呼んでください！』
「ふふ、ありがとう。はい、たらこパスタ大盛りね」
そういえば、幹部補佐になるんだっけ。
実感が湧かないのは自分だけなのかなと思いながら麺をフォークに巻きつける。
『おいしい』
周りの人も環境も、このたらこパスタの味みたいに変わらなければいいのに。
平和に楽しく生きていたいな。
「それはちょっと無理があるんとちゃうかな？」
『っ！オスマン様･･･！』
「もうほぼ同僚みたいなもんになるんやし、呼びやすいように呼んでくれてええんに」
ほんとこの人神出鬼没だな。
「ええか玲ちゃん、この世に変わらんもんなんてあらへんよ。この国にしたっていつなくなるかわからんくらい脆いんやで」
『こんなに、強いのに、ですか･･･？』
そう。この国は強い。
私はよく知っている。
「せやで。いつ大災害が起こるかわからへん。いつ俺らと肩を並べ抜かしていくほどの大国ができるかわからへん。そういうもんやで」
にこにこと冗談めかしく笑っているが、目は強がっているように見える。
彼もまた、恐ろしい思いをしながらも強くなってきたのだろうか。
「でも、この国はもっと強くなれる。変われるんや」
「変わらんのやない。変われるんやで」
『なるほど･･･』
なんか、わかった気がする。
わからないけど、理解できた。
「それ、うまい？」
『へっ！？あ、あぁ、美味しいです･･･とても･･･』
なんとなく顔を見合わせて笑った。
それからまたしばらく雑談をしているうちに目の前の食事が消えていった。
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