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sideゾム
ダクトから入り慣れた部屋を見つめる。
『･･･よし！』
一生懸命いろいろな書類と睨めっこしながらメモ書きをする玲。
オスマンからの研修をこなしているらしい。
でも、つまらんなあ。
玲が頑張ってるところを見るのは好き。
でも静かな部屋には嫌気が差す。
静かに必死にしてるのはわかるけど、必死な玲はもっと動いてなきゃあかんねん。
「･･･」
あーあ、今日は遊べへんかなぁ。
苦いコーヒーの匂いから逃げるように、ダクトの中を這い回った。
玲を見てて苛つくなんて初めてや。
胸糞悪いからコネシマんとこでも行って驚かせたろ。
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side玲
「おや、玲さん」
『お久しぶりです。･･･と言うほどでもないですかね』
いつもの暖かいコーヒーの湯気を漂わせ貸し出しカウンターに座す彼。
私を見るなり立ち上がって駆けてくる。
『あっ、急がないで大丈夫です。調べ物に来ただけなので･･･』
「そうですか、つい、ごめんなさい。･･･それにしても調べ物とは。オスマンさんからのお仕事関係ですか？」
『はい、実は･･･』
訳を話すなり顎に手を当てるエーミールさん。
「ら国についてですか･･･」
『ええ、想定上の練習問題か、実際の話だかはわからないのですが･･･それはいいとして、友好国の場合は軍事協定ではなく、貿易面での交流から始めるのがいいのかなと思いまして』
「そうですね、一応理由を聞かせてもらえますか？」
『はい、友好国の場合であれば、いきなり軍事関係の話をすると警戒される可能性があるかなと。なので貿易面での両国の自由化は仲を深めるにはぴったりかと』
「あ〜、なるほど･･･ですがら国との交流はまだまだ浅いので、相手方も警戒されているかもしれませんね。私の考えだと技術交換からかと思います」
エーミールさんはそう考えると思った。
こうしてみても警戒心の高い人だ。
『なるほど、安心しました。信頼のために技術交換会の方が上手くいきそうですね』
「お役に立てて何よりです。もう少し書庫にとどまっていきますか？」
『はい！』
「じゃあゆっくりしていってくださいね。私は奥にいますので」
『ありがとうございます』
さて、すっきりしたし何か借りて行こうかな。
そうだ、久しぶりに恋愛小説なんてどうだろう。
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