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side玲
『う〜･･･』
いきなり胃痛がしそうな仕事をいただいた。
と、いうのも。
オスマン様からの仕事は、外交で使用する同盟内容を考えるというもの。
まず、政治学のせの字すら学んでいない私にこんな仕事を任せるとは、一体どういうことなのか。
しかもそれを伝えると、
「しゃあないな、でも玲は裏社会仕事しとったんやろ？情勢掴むんはある程度上手いんじゃないかと思ったんやけど･･･難しかった？期限は3日な」
と言われた。
全く酷いものだ。
話を仕事内容に戻そう。
今回同盟を結ぶのは数年前我々国からのアプローチにより繋がりを持った「ら国」という国。
広い国土を持ち、僻地と平地どちらをも併せ持つ。
そしてそれらの特徴に適応して暮らす国民達。絶対に敵に回したくないな。
こちらとの地理関係は･･･陸続きだけど海を渡る方が距離的に近いのか。
やたら詳しいって？新聞に地図に会議、外交の記録なんかとどれだけにらめっこしたことか！
両国への訪問はすでに何度かしているようだ。
いや、そんなことだけわかったって意味がない。
『わからない･･･』
明日明後日も別の幹部様との研修がある。
時間があるのは今日だけだ。
残り時間は･･･
「失礼します」
乾いたドアを叩く音と、聞き慣れた凛とした声が聞こえた。
『どうぞ』
「玲！調子どう？病み上がりでオスマン様の仕事とは、きついでしょ」
『うん、精神的に持っていかれちゃった』
入ってきたのはエリーノ。
コーヒーとチョコレートが乗ったトレーを私の机に置く。
「これ、糖分とカフェイン」
『ありがとう』
さすがはメイド長。よくわかってる。
彼女の仕事ぶりにも感服しながら、私も頑張らなくちゃと背筋が伸びる。
「無理しないでね！」
それを察したのか困ったような音色ながらも満面の笑みで振り向くエリーノ。
きっと次の仕事があるのだろう。
『ありがとう、エリーノもね』
「！･･･うん、ありがとう」
嬉しそうにはにかんで扉を閉めていくエリーノを見送って背伸びをする。
頑張らなきゃ。
『･･･よし！』
コーヒーを飲んで散らかった机に体を戻す。
今のところ友好度は高いみたいだし、技術交換や貿易の自由化が適当かな。
もう少し調べてから確定しようかな。
「･･･」
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