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side？
コートを自室のベッドに脱ぎ捨て、1枚の人事書類を手に取って寝転がる。
黒髪黒目、変則的で癖を見せない素早い動き、そして何より･･･
冷酷な殺し屋だったのに、普通に社会に出て情を持って生きている。
俺から行く前に、向こうから来てくれるとは。
ああなんて、
「ラッキーやなぁ」
どうして何年も気付かなかったんだろう。
それが不思議なくらい書類の端に丁寧に貼られた写真が愛おしく見えた。
今度はあの様な汚い愛し方はしない。
あの時の俺は、█████に拾われる前の彼女を知らなかったが故に汚い事をしてしまった。
俺達と比べたら生温く、世間一般から見たら普通だった彼女がこちら側に来る以前の人生を
予想できなかった。
「今度会った時は初手謝罪せな」
俺も彼らと出会って変われた。
もう同じ失敗はしない。
罪悪感で指先から冷めていく感覚に襲われる気がして、
それを往なすように目を閉じた。
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No side
きらきら輝く照明に、誰もが笑顔で踊る。
女性も男性も皆裕福そうな格好で。
かつ、かつ、
と軍靴を鳴らす足取りで歩く端麗な顔立ちの男が来れば、
その場にいる女性は皆興奮気味で、黄色い声をあげる者もいた。
その筋肉質な腕を組む女が見えると、
その黄色い声はフェードアウトし、代わりに低い声で場がどよめいた。
二人を中心にし、ほぼ全員がうっとりとその歩き姿に見とれた。
「さあ、俺たちも踊ろうか」
『そうしましょう』
いつの間にか耳に届かなくなっていたのか。
華麗に踊る二人を見つめる参加者達。
「、ツァックって･･･何者？」
「知らん･･･けど」
護衛の幹部でさえ見惚れるほどの踊りは、到底人を欺くための物とは思えなかった。
しかし当人たちは足を踏み入れた時点で気付いていた。
「さあ、どこがチャンスかな〜」
影から覗く不穏な空気に。
『流石にガバガバですね』
「せやな、」
小さな声で会話した後ちゅ、と小さくリップ音が聞こえた。
また上がる黄色い声。
飛んだ鉛玉はレース付きの手袋から撃たれた別の鉛玉で弾かれ、中心に届くことは無かった。
「
「いやお前こそ食ってる場合やないやろ」
頬を膨らませたまま走る男と後ろをついて走る男達がホールから抜けたきり、不穏な空気は会場から消えたという。
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