No.137 ページ40
平手side
手を握ったまま楽屋を出て
休憩スペースの自販機に向かう。
廊下は色んなスタッフさんが
忙しそうに歩き回ってて
私達のことなんか見向きもしなかった。
「はい、これあげる」
由良は私の十八番のりんごジュースを
手渡して、こっちおいでって手招きした。
由良の隣に座ってジュースを一口飲み、
由良に寄りかかった。
薄暗い休憩スペースは
周りから隔離されてるみたいで
静かでなんだか安心した。
由良は私に寄りかかられながら
カルピスを飲んで目を閉じていた。
″由良眠いのかな″なんて思いながら
また一口りんごジュースを飲んだ。
甘酸っぱい液体が体の隅々まで
染み渡っていた。
「本番、頑張ろうね」
ぽつりと由良がそう呟いた。
「うん、頑張ろ」
私もいつものように答える。
「きっと届くから。大丈夫」
「..... 。」
「てちならできる」
「..... うん」
「最後に最高のもの見せつけてやろ」
「うん」
由良はにっこり笑ってこっちを見ていた。
三日月にカーブする瞳には
強い光がみなぎっていた。
″最後″
私の決断を知ってか知らずか
最後という言葉を使った由良。
一年最後という意味なのか
私にとって欅坂46としての最後の紅白という
意味を含めたのか
分からなかったけど、
由良の言葉で勇気がでた。
「そろそろ、行こうか」
私達の出番が、
一年最後の舞台が、
終わりへのカウントダウンが、
すぐ傍まで近づいてきていた。
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もっち(プロフ) - ご指摘ありがとうございます！うっかりしてました。訂正しときます。変わらぬ応援をよろしくお願いします！ (2020年8月15日 17時) (
レス) id: 270a4fc628 (このIDを非表示/違反報告)
わく(プロフ) - いつも更新を楽しみに待っています。No.109に、メンバーの山��天さんが出ていると思いますが、「山崎」となっていて、字が違うと思いました… それだけです。すいません。更新楽しみに待ってます。 (2020年8月15日 15時) (レス) id: 7c4802430c (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：もっち | 作成日時：2020年7月16日 17時
