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決戦は昼休み

3年F組の教室の扉を開ける。
「柳くん、おる?」

近くにいた目のあった女子生徒に声をかければ、その子はじっ、と私を凝視する。

「?」

私の顔になんか着いてるんやろか。

「A」

「うわっ?!」

私の後ろにはいつの間に背後にいたのか、雅治くんがいた。
あの女子生徒が見つめていたのは私じゃなくて、私の後ろにおった雅治くん。それなら納得がいく。

「なんでここにおんの?」

「丸井から聞いた」

なるほど、納得。

「仁王に波多野…なんだ?」

柳くんはなんでお前達に呼び出されたのかわかりません、とでも言いたげに眉を顰めている。

「結奈ちゃん、今日休みなんやけど何か知らん?」

単刀直入に聞けば、目の前の柳蓮二は少しだけ眉をぴくりと動かした。僅かに動揺したようにも見える。

「知らないな」

直ぐに落ち着きを取り戻したように柳くんは言葉を紡いだ。

「彼氏やのに?」

「彼氏なら何でも知っている訳ではない」

「でも気にならん?」

「お互い干渉する趣味はない」

は?干渉?
自分の彼女のこと気になったり心配したりする事は干渉になるんか?

「逆に」

問い詰める私に今度は柳くんが問いを投げた。

「お前は仁王の事なら何でも知っているのか」

さあ、どうだろう。
私は彼の何を知っているんだろうか。
じゃあ逆に彼は私の何を知っているんだろうか。

「そのくらいにしんしゃい」

ボソリと、だけど確かに雅治くんは言葉を発した。

「おまんらは言い合いする為にここで話おうとるんか?」

そう言われれば私も柳くんも黙るしかなかった。

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「大丈夫かなぁ、結奈ちゃん…」

F組から戻る途中、口から零れた言葉は空気の中に溶けて消えた。

雅治くんはずっと黙ったままやった。

「雅治くん?」

私の後ろを歩く雅治くんを振り返って見上げれば、彼はとても難しい顔をしていた。

36→←34 + 作者より



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設定タグ:テニスの王子様 , 立海 , 四天宝寺   
作品ジャンル:アニメ
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mizuki(プロフ) - こんばんは!初めましてみずきです。そして明けましておめでとうございます!この小説の更新を楽しみにしています!!これからも宜しくお願いします! (2019年1月1日 23時) (レス) id: cdcb52c135 (このIDを非表示/違反報告)
凛樹(プロフ) - グレイさん» 初めまして、コメントありがとうございます!デート...、必ずどこかのタイミングで書きますね\( 'ω')/ (2018年12月10日 7時) (レス) id: 1df7087ebd (このIDを非表示/違反報告)
グレイ(プロフ) - 初めてコメントさせていただきます、いつも楽しく読んでおります。是非主人公と仁王君のデートが見てみたいです! (2018年12月10日 5時) (レス) id: e55dd05625 (このIDを非表示/違反報告)
凛樹(プロフ) - ちょす。さん» 初めまして!コメントありがとうございます!社畜成人済み同士是非とも仲良くしてください\( 'ω')/ (2018年11月28日 0時) (レス) id: 1df7087ebd (このIDを非表示/違反報告)
ちょす。(プロフ) - 連載がはじまったすぐに目をつけておりました!面白いです。引き込まれます‥仁王くんともっとイチャついてええんよ‥!更新楽しみにしてます。無理はなさらないで下さいね!私も社蓄・成人済みでお仲間ですね!(おい) (2018年11月27日 14時) (レス) id: f394a39ee6 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:凛樹 | 作成日時:2018年10月28日 2時

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