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「てか財前、お前はなんでAの写真なんか持ってんねん!」
「え、ケンヤさん、知らんのですか」
「何のことや?」
「Aさん、莉都さんのとこのサロンでモデルやっとるらしいですよ」
ネットで調べたら写真くらいすぐ出てきますわ、
相変わらずぶっきらぼうに財前は続ける。
「財前クンは意地悪やなぁ」
白石はニヤニヤと続ける。
「何がですか」
「従姉妹とAちゃん、友達なんやろ?Aちゃんから聞いたで」
「それを知ってるのにケンヤさんに言うたらん部長も十分意地悪いっすわ」
「なんや!オレはアイツのことなんか好きちゃう!別にそんなん教えてもらわんでもええわ」
謙也はラケットを掴み立ち上がると部室を出て行った。
「あーあ、素直やないなぁ…」
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そしてここは立海大附属中学校。
息を深く吸い込む。
そして同じように深く吐き出した。
変わった私を見たら蓮二は何と言うだろうか。
「あれ?結奈ちゃん?」
後ろから声をかけられ振り返れば、そこにはいつも通りの金髪にいつも通りのピアスのAちゃんの姿。
「え?髪切った?てか染めた?!めっちゃかわええ!!!」
そして私にギューッと抱きついてくる。
「お前さんら朝から何しとるんじゃ」
「ホント仲良しだよな」
半分呆れた声の主は仁王くんと丸井くん。
「なぁ!結奈ちゃんめっちゃかわいいねん!見て!髪の毛!!!」
「なんで波多野の方がそんな自慢げなんだよ」
丸井くんはまた呆れて笑っていたけれど、私の髪を見ながら
「似合ってんじゃん」
と笑顔を向ける。
「こりゃ参謀もびっくりじゃな」
「呼んだか、仁王」
更に後ろから声をかけられ振り返れば、柳生くん、真田くん、そして蓮二の姿があった。
「これは財前さん、素敵な髪色ですね」
柳生くんがニコリと笑いながら褒めてくれる。
一方の真田くんは
「財前…お前まで…」
そしてチラリとAちゃんの方を一瞥する。
「染めたんは私ちゃうからな!」
察したように言い返すAちゃん。
「誰もお前のせいとは言っとらんだろう!」
「いーや、そんな顔しとった」
「それは被害妄想だ!」
「ハァ〜?!」
「Aを虐めるんじゃなか」
「2人とも喧嘩はやめなさい」
皆がガヤガヤやり取りする中。
「結奈…」
蓮二は私に近づいて
サラリ、と髪を掬う。
「似合っている」
蓮二が笑っているところ、久々に見たな。
「ありがとう」
照れくさくて少しはにかみながら返事をした。
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mizuki(プロフ) - こんばんは!初めましてみずきです。そして明けましておめでとうございます!この小説の更新を楽しみにしています!!これからも宜しくお願いします! (2019年1月1日 23時) (レス) id: cdcb52c135 (このIDを非表示/違反報告)
凛樹(プロフ) - グレイさん» 初めまして、コメントありがとうございます!デート...、必ずどこかのタイミングで書きますね\( 'ω')/ (2018年12月10日 7時) (レス) id: 1df7087ebd (このIDを非表示/違反報告)
グレイ(プロフ) - 初めてコメントさせていただきます、いつも楽しく読んでおります。是非主人公と仁王君のデートが見てみたいです! (2018年12月10日 5時) (レス) id: e55dd05625 (このIDを非表示/違反報告)
凛樹(プロフ) - ちょす。さん» 初めまして!コメントありがとうございます!社畜成人済み同士是非とも仲良くしてください\( 'ω')/ (2018年11月28日 0時) (レス) id: 1df7087ebd (このIDを非表示/違反報告)
ちょす。(プロフ) - 連載がはじまったすぐに目をつけておりました!面白いです。引き込まれます‥仁王くんともっとイチャついてええんよ‥!更新楽しみにしてます。無理はなさらないで下さいね!私も社蓄・成人済みでお仲間ですね!(おい) (2018年11月27日 14時) (レス) id: f394a39ee6 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:凛樹 | 作成日時:2018年10月28日 2時