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赤也に抱きつかれただの、赤也だけ名前呼びはズルいだの、言いたいことだけ言いきると仁王くんは黙ったまま、私の手を引く。
これはつまり俺の事も名前で呼べ!ということなんやろうか。
そうやったらハッキリそうやと言えばええのに。
そんなに呼ばれたいんやったら名前くらい呼んだるわ!私は優しいからな!
と、思ったものの。
いざこうなると緊張するな。
まさはる。
たった4文字が言われへんなんて私こんなヘタレやったっけ…、もはやアイツよりヘタレちゃうか。
そうこうしているうちに、気づけば私の家の前。
「着いたぜよ」
「ありがとう…」
言え、私!!
「A?」
私の様子が変だと気づいたのか、私の顔をのぞき込む仁王くん。
「まさ、はるくん。ありがとう」
「は?」
仁王く…雅治くんは目を見開き、口を半開きにしたまま固まっている。
あれ、名前呼んで欲しいんやと思ったんやけどな…違うかったか。
「あ、ごめん。今のは」
忘れて。
という私の最後の言葉は
「もっかいじゃ!もっかい」
という仁王くんの声にかき消された。
「まさはる、くん?」
雅治くんは私の家の前ということも忘れて、思いきり私を抱きしめる。
「くるしっ」
「すまんが離してやれんぜよ」
「いや、ここ私の家の前やから」
「そんなん知らん」
「知らんとちゃうから」
オカンならまだしもオトンに見られたらえらいこっちゃやで。
「へぇ〜お熱いねえ」
いや、オトン以上に見られたくない人がおった。
「お姉ちゃん!!?!」
お姉ちゃんは玄関先で煙草を吸いながら、私たちをニヤニヤと眺めとった。
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mizuki(プロフ) - こんばんは!初めましてみずきです。そして明けましておめでとうございます!この小説の更新を楽しみにしています!!これからも宜しくお願いします! (2019年1月1日 23時) (レス) id: cdcb52c135 (このIDを非表示/違反報告)
凛樹(プロフ) - グレイさん» 初めまして、コメントありがとうございます!デート...、必ずどこかのタイミングで書きますね\( 'ω')/ (2018年12月10日 7時) (レス) id: 1df7087ebd (このIDを非表示/違反報告)
グレイ(プロフ) - 初めてコメントさせていただきます、いつも楽しく読んでおります。是非主人公と仁王君のデートが見てみたいです! (2018年12月10日 5時) (レス) id: e55dd05625 (このIDを非表示/違反報告)
凛樹(プロフ) - ちょす。さん» 初めまして!コメントありがとうございます!社畜成人済み同士是非とも仲良くしてください\( 'ω')/ (2018年11月28日 0時) (レス) id: 1df7087ebd (このIDを非表示/違反報告)
ちょす。(プロフ) - 連載がはじまったすぐに目をつけておりました!面白いです。引き込まれます‥仁王くんともっとイチャついてええんよ‥!更新楽しみにしてます。無理はなさらないで下さいね!私も社蓄・成人済みでお仲間ですね!(おい) (2018年11月27日 14時) (レス) id: f394a39ee6 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:凛樹 | 作成日時:2018年10月28日 2時