3年B組15番

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GW明けの学校はどこか浮かれているような気がする。
浮かれていると言えばそれは私も同じなんやけど。
久しぶりに結菜ちゃんに会えるんやもん、浮かれるやろ。

「Aちゃん！」

教室に入るなり飛びついてくる結菜ちゃん。

「髪の毛染め直したの？！それに前よりも短くなってる！すごく似合ってる」

「ありがとう照れるわ〜」

他のクラスメイトもざわざわと話しかけてくる。

自分の席に座ると、荷物を下ろす。

まだ仁王くんと丸井くんは来てへんらしい。
なんや、仁王くんまだおらんのか。
と、少し寂しいような気持ちになった自分に気づいてはっとなる。

「Aちゃんどうかしたの？」

「あ、ううん。何もないよ」

「俺のこと待っとったんじゃろ」

突如、上から降ってきた声に顔をあげる。

「久しぶりじゃのう、波多野」

「別に待ってへんよ」

「強がらんでもええぜよ」

仁王くんはいつもの調子で意地悪そうに笑う。

「会えるの楽しみにしてたのはお前の方だろ、仁王」

そしてこれまた、いつもの調子で甘い匂いをさせながら丸井くんが教室に入ってくる。

「今日のお前、いつもより着替えるの早かったのはそういう事だったんだな」

「ブンちゃんそれは言っちゃいかんぜよ」

「なんだよ〜本当のことだろぃ？」

そんな2人のやり取りを見ながら、私と結菜ちゃんは笑っていた。
はずやったんやけど。
結菜ちゃんが少しだけ周りを見渡していたのは気のせいか…？

私はまだ何も知らんくて、結菜ちゃんのことなんて全然分かってなかったんや。


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そして、男子テニスの県大会が始まるまであとすこし。

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