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仁王雅治と利害関係の一致から付き合うことになってしまった。
そして私の生活は一変する。
この時はそんなこと知るわけもないんやけど。
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「ちょっと良いか」
下校時刻になり、教室から正門に移動する途中、誰かに呼び止められ振り返る。
「波多野Aに間違いないな」
「そうやけど、誰?」
そこにいたのは、ホンマに中学生?と言いたくなるような長身に、開いてるかよくわからん糸目の男子生徒。
「柳蓮二だ」
「はぁ、な「何の用やねん、とお前は言う」」
言おうとした台詞を当てられ、少しカチンとくる。
「その通りや。ほんで何やねん」
「単刀直入に聞くが…、何故仁王と付き合おうと思った?」
なんで今初めて会ったばっかりのこの男に、仁王雅治との関係をとやかく言われるんや。
「それは私の勝手やろ」
ギロリと糸目の彼を睨みつける。
「そもそもあんた、仁王くんの何なん」
「同じテニス部だ」
「は?」
「仁王とは同じテニス部でな」
彼は細い目を静かに開く。
「お前は仁王の噂を知っているのか」
「詳しくは知らんけど、まあ女たらしなんやろ」
出会って2週間の女に一目惚れしたとかいう理由で、いきなりキスをするような男だ。
女の扱いになれているし、たらしに決まってるやろ。
「ほう」
コイツ、ほんまさっきから何が言いたいねん。
「話ってそんだけ?私帰るで」
「軽い気持ちなら付き合わないでもらえるか」
「はぁ?」
「そのままの意味だ」
「アンタ…柳くんやっけ?何か勘違いしとるようやけど、そもそも仁王くんから付き合おう言うてきたんやで。それに私らのこと、とやかく言われる筋合いないんやけど」
「俺のデータに間違いがなければ」
彼はそこで一呼吸置く。
「お前の本当に好きな人は」
なんでこの男、私のこと知ってんの?
「あーー!Aちゃんと蓮二!!」
パタパタと駆け寄ってくるのは、結奈ちゃんやった。
「ちょっと蓮二!Aちゃんのこと困らせるのやめてよ!」
「なんだ、結奈の友達だったのか」
「そう!!なの!!だから困らせるのやめて!」
「それはすまなかったな」
「え?2人知り合い?!」
突然の結奈ちゃんの登場と、あまりの2人の親しさと、柳蓮二の突然の謝罪に困惑するしかない私。
「結奈は俺の彼女だ」
「は?」
この感じ悪すぎる糸目の彼女が、結奈ちゃん?
「Aちゃん、蓮二がごめんね」
そんな可愛い顔して謝られたら許すしかないやんか。
と、許してしまうのやった。
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mizuki(プロフ) - こんばんは!初めましてみずきです。そして明けましておめでとうございます!この小説の更新を楽しみにしています!!これからも宜しくお願いします! (2019年1月1日 23時) (レス) id: cdcb52c135 (このIDを非表示/違反報告)
凛樹(プロフ) - グレイさん» 初めまして、コメントありがとうございます!デート...、必ずどこかのタイミングで書きますね\( 'ω')/ (2018年12月10日 7時) (レス) id: 1df7087ebd (このIDを非表示/違反報告)
グレイ(プロフ) - 初めてコメントさせていただきます、いつも楽しく読んでおります。是非主人公と仁王君のデートが見てみたいです! (2018年12月10日 5時) (レス) id: e55dd05625 (このIDを非表示/違反報告)
凛樹(プロフ) - ちょす。さん» 初めまして!コメントありがとうございます!社畜成人済み同士是非とも仲良くしてください\( 'ω')/ (2018年11月28日 0時) (レス) id: 1df7087ebd (このIDを非表示/違反報告)
ちょす。(プロフ) - 連載がはじまったすぐに目をつけておりました!面白いです。引き込まれます‥仁王くんともっとイチャついてええんよ‥!更新楽しみにしてます。無理はなさらないで下さいね!私も社蓄・成人済みでお仲間ですね!(おい) (2018年11月27日 14時) (レス) id: f394a39ee6 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:凛樹 | 作成日時:2018年10月28日 2時