198話 ページ6
芹side
何を話しても無関心なAに、腹が立ってしまった。
勢いよく置いたスプーンの音に少し驚くも、表情ひとつ変わらないA。
芹「なんなの、さっきから。」
そう聞いても、驚いているからなのか、反応したくないからなのか分からないけど、特に何も答える様子もないA。
芹「ずっと言いたかったこと言ってあげる。」
目の前にいるAが歪んでいくのが分かった。
芹「突然いなくなって、連絡も取れなくなって。
なんで私たちになんも話してくれなかったの?
友達じゃん、私たち。
私たちがどれだけ悲しかったか、寂しかったか分かる?」
ボロボロと零れる涙。
カバンからハンカチを取り出し涙を拭き取った。
Aの表情は変わっていなかった。
芹「この際、私たちはいいよ。
もっと大事なのはえいちゃんだよ。
あんた、えいちゃんの気持ち考えたことある?
Aがいなくなってから、ずっと悲しかったはずなのに、ずっと笑ってたんだよ。
ずっと明るく接してくれたんだよ。
そのえいちゃんの気持ち分かる?」
するとAはため息をつき、持っていたスプーンをゆっくりと置いた。
A「じゃあ、何があったか教えてあげようか。」
ずっと無表情だったAはニヤリと笑った。
目線を下に落としながら鼻で笑っていた。
そして、私の目を真っ直ぐに見つめてくる。
A「私がどんなに大変だったか知らないくせにさ。
なんで相談してくれないの?
寂しかったんだよ?
私たちの気持ち分かる?…って。
じゃあ、逆にさ。
私の気持ち分かる?」
その目に吸い込まれそうになった私は直ぐに逸らしてしまった。
怖い。
Aに対してそんなことを思ったのは初めてだった。
A「なんてね、ごめん。
私がみんなのこと振り回したんだよね、ごめん。」
そう言いAは机の上にお金を置いて席を立ってしまった。
そんなAを引き止めることができなかった。
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結城奏空(プロフ) - チキンさん» シュールですよね笑 ありがとうございます!頑張ります^^ (2018年12月19日 21時) (レス) id: 4f4a6dfa3d (このIDを非表示/違反報告)
チキン(プロフ) - 突然のレイターズに思わず笑っちゃいました(*´-`)続き楽しみにしてます! (2018年12月19日 20時) (レス) id: 9376339a73 (このIDを非表示/違反報告)
結城奏空(プロフ) - 佐野さん» ありがとうございます(><) 更新頑張ります!待っててください^^ (2018年12月2日 21時) (レス) id: 4f4a6dfa3d (このIDを非表示/違反報告)
佐野 - 応援してます!早く続きが見たいです!! (2018年12月2日 21時) (レス) id: 16334e2eb4 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:結城奏空 | 作者ホームページ:http://uranai.nosv.org/u.php/hp/zyaniotabosyuu/
作成日時:2018年12月2日 20時