足りない分だけ愛してよ

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『福良さん、海行きたいー！』

オフィスでそんな大きな声出して駄々を捏ねているのはもちろんAちゃん。

相手が福良さんなのはちょっと悔しいから俺がいい提案をしてやろう。

「ね、Aちゃん、今週末須貝さんが海連れてってあげるよ」

『え！本当ですか！』

キラッキラの笑顔を俺に向けてくれる。
そうそう、俺はこの笑顔が好きなんだ。

ーーーそしてやってきた週末。

Aちゃんの家までお迎えにあがり海へ向かう車の中。

『須貝さん、須貝さん、実は私、もう中に水着着てきちゃったんです』

ほら！なんて言いながら服を捲って見せられた時には目的地を変更しようかと考えてしまった。

念願の推しの水着姿は想像以上で、もう、なんでも買い与えたてあげたいくらい。

いっぱい遊んで満足し帰りの車の中、

『夜の海もよかったんですけど、やっぱり夏は昼の海ですよね！』

どうやらあの後、福良さんに夜の海に連れて行ってもらったらしい。

畜生、許せん。

けど、無事に家まで送り届けたあと、



『今日はありがとうございました！』

なんて言って、





ちゅっ



俺の頬に軽くキスを落としてくれたから、福良さんへの嫉妬なんて忘れてしまった。

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