sgi ページ4
須貝さんとのデートはいつも、まるで最近の女子高生のようなきゃぴきゃぴしたデートで。
今日も私たちはSNS映えするカフェに来ている。
「ここのお店、この前インスタで見つけたんよねー、あ、自撮りしよ。」
私よりも女子力高めな須貝さん。
さっそく彼が自撮りをTwitterに上げるとすぐに多数のいいねとリプが返ってくる。
私の前には可愛らしいパンケーキ……ではなく、ちょこん、としたケーキ。
可愛らしいパンケーキを頼むのはいつも須貝さんで店員さんが私たちの前にそれぞれ逆のものを置く。
私が可愛らしいパンケーキを頼まないのは、なんというか、SNSにヤキモチ妬いてるから、とかいう幼稚な感情からだったりする。
「思ったんだけどさーAって甘いの嫌いなの?」
『や、別に嫌いじゃないしむしろ好きだよ、なんで?』
「なんかいっつも俺に付き合わせちゃってるなって気がしてさ。」
別にそんなわけじゃないんだけどね。
須貝さん、人気になってからますますSNSばっかり構っちゃってさ、だからそれにちょっとヤキモチ妬いてるの!なんて可愛らしいことは私には似合わない。
「めっちゃ馬鹿みたいな推測していい?」
どうせ当てられっこない。
『いいよ』
「俺が最近かまってあげてないからなんとなくうじうじしてたりする?」
『な、なんでわかって……!』
友達から聞いちゃった〜って笑いながらパンケーキを一口大に切る。
そして、切ったパンケーキをフォークに刺し私の方に向け、
「はい、仲直りしよ」
私は何も言わずにただそのパンケーキを口に含む。
やっぱり甘かった。
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作者名:愛璃 | 作成日時:2020年2月23日 21時