白壁 ページ33
あなたside
目が覚めるとそこは自分の部屋でもなくて、オフィスでもなく、病院だった。
白く、清閑としたこの空間を少し懐かしく思う。
もちろん、それはいい思い出でもないが。
一人で感慨に浸っていると突然ドアが開き、颯くんと伊沢さんが入ってくる。
伊「Aちゃんが起きてる！よかったぁ……」
水「先生呼んでくる」
颯くんは小走りで部屋を出ていくと伊沢さんが悲しそうな顔で私に話しかけた。
伊「なんで…なんで今まで黙ってたの」
『そんなこと聞いてくるってことは、もう知っちゃったんですね。他メンバーもですか？』
伊「うん。ごめん。本当はAちゃんから言ってくれるの待ってたんだ。でも、倒れてたAちゃんと一緒に救急車乗って来たのは俺だったからさ。本当にごめん、俺が説明を聞かなきゃいけない状況だったんだ。」
そっか……ついに知られてしまったんだ。
あ、他メンバーには言ってないから安心して、でも福良さんと河村さんは何かあるって気づいてるみたいだけど…と伊沢さんは付け足した。
私の主治医の先生が駆け込んでくる。
どうやら私は2日間眠っていたらしい。
先生が言うには私はあと2日は入院することになるみたいだ。
颯くんが何やら目配せをし伊沢さんが退出することに。お礼を告げ、他メンバーには最近、体調を崩しているからお休みしているということにして欲しいとお願いをした。
伊「お大事に」
最後にそう一言残し、伊沢さんが退出した。
彼には本当に迷惑をかけてしまったな…
颯くんが口を開く。
水「なんでなんにも言ってくれなかったの、事前に異変があったとかはなかったの？」
『ごめんなさい…迷惑かけたくなくて……』
水「その程度の存在だったわけか俺。」
悲しそうに笑い、そう言って退出した颯くん。
先生から話を聞くと、まず当日は救急車に伊沢さんが一緒に乗ってきて、そのすぐあとに颯くんが私の元へ訪れてくれたらしい。
その日は夜通し着いていてくれたらしく、次の日も今日も直直顔を出してはため息をついて帰る、を繰り返していたらしい。
伊沢さんもまた、何度も顔を出してくれていたそうだ。
私のことをこんなにも大切に思ってくれている人がいたなんて……気がつけば自分の枕を濡らしていた。
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Ashley(プロフ) - すみません！！訂正ありがとうございます！ (2019年9月19日 21時) (
レス) id: 6f15aa5541 (このIDを非表示/違反報告)
すぺる(プロフ) - 面白そうなお話ですね！ひとつだけいいですか？川上さんの拓朗という漢字が違います…。更新頑張ってください。 (2019年9月19日 21時) (レス) id: bc24737c16 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：愛璃 | 作成日時：2019年9月19日 21時
