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「うわっ」
ジェシーが仕事をしている間、境内をぐるりと回っていると、草むらから突然真っ黒な蛇が現れた。
硬い鱗は深い黒に煌めき、蛇は赤い舌をチロリ、と覗かせる。
この子は北斗の使いだ。
慎太郎から貰ったと聞いている。
何度かこうして使いがやって来たことがあるけど、毎度驚いてしまう。
蛇は凄いスピードでとぐろを巻いていく。
すると、鱗が擦れてパチパチと音が鳴り、1枚の紙片が飛び上がる。
空中に飛び上がった紙片は、ゆらゆらとゆっくり下降し、地面に落ちた。
……これ、どういう仕組みになってんだろ。
満足そうに再び赤い舌を見せ、草むらに戻っていく蛇を見送り、紙片を拾い上げた。
『こーちとジェシーへ』
『慎太郎が皆と会いたがっています』
『季節が変わる前に1度、集まりませんか？』
綺麗な文字がバランス良く並んでいる。
皆ってことは大我と樹も来んのかな。
前に会ったのは、確か……
ジェシーは神で、樹と慎太郎は鬼。
だけど3人は凄く仲が良い。
どこで知り合うんだ？と疑問に思うけど、神様や鬼の交友関係に首を突っ込むほどの度胸はない。
北斗と大我とは面識がなかったけど、ジェシー達同士の集まりから仲良くなった。
この6人の集まりは、心地よいから何度も会いたいんだけどね。
3人の鬼や神が1つの場所に集まると、バランスが崩れちゃうから。
.
「いいじゃん！俺もそろそろ会いたいと思ってた」
「よかった。すぐ返事するよ」
指笛を吹くとトタトタトタ……って可愛らしい足音を立ててハリネズミがやって来た。
北斗の蛇や、大我のコウモリとは毛色が違う。
けど、結構気に入ってたりするのだ。
「北斗たちに、1週間後に行くって伝えといてくれる？」
コクン、と頷いたハリネズミは、またとたとた……と足音を立てて行く。
か、可愛い。
ここに来るまでハリネズミに触れたこともなかったけど、自分の使いが余りにも可愛くて、つい頬が緩んだ。
「……何？」
「別に？」
「何でそんな急に機嫌悪いの」
「こーちがあいつにデレデレしてるから」
「デレデレじゃないよ！可愛いって思ってるだけ！！」
「そういうのをデレデレって言うんですー」
……神様なのに、すぐに拗ねる。
分かりやすく尖らせた唇。
こんなに大きな体で、強大な力を持つ人が、あんなに小さな使いに嫉妬をしている。
それすらも愛しく思えてしまう自分に苦笑した。
神様に恋って、身の程知らずにも程があるよなぁ。
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桜汰(プロフ) - thhyさん» 更新頻度が低くて申し訳ないです……。ちょっとずつですがお話進めるように頑張ります！！ (2月11日 19時) (
レス) @page6 id: 6f5ee38495 (このIDを非表示/違反報告)
thhy - 更新待ってます！ (2月3日 15時) (レス) @page5 id: 69657aab33 (このIDを非表示/違反報告)
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