…11…。〜回想〜 ページ11
〜回想〜
父「お前なんかいらへんねん!」
__ガンッ、__バンッ、
「…っ、いたい…っ、やだっ、…」
『やめて!望がっ、』
母「流星、行くな!」
望は生まれつき心臓が弱くて、毎日のように体調を崩しとった。
それに加えて父親から暴力を振るわれて、母親は俺だけをかばって。
『、何で望だけっ、』
父親が帰ってきた日は、毎日こんな騒ぎやった。
明らかに虐待やったけど、病院にも連れて行ってくれへんし、誰にも相談できひんかった。
『望、わかるか…?』
「…、流…兄…、…」
『心臓痛ないか?大丈夫か?』
「…だい、じょぶ…、」
父親が家を出て行ったら、すぐに望に駆け寄って、俺が手当をした。
傷だらけの体に触れるたびに、痛いのか、顔をしかめる。
『ごめんな、痛いよな…、』
「…、流兄が触るなら…、大丈夫…、」
無理に笑おうとする望を抱きしめると、安心したように、涙を流しながら寝息を立て始める。
望は、助けられへんかった俺を、一度も責めへんかった。
いや、まだ小さかったから、責めることを知らへんかったんやと思う。
ただ耐えて、俺だけを慕ってくれた。
こんなことを背負うには幼すぎる望を抱きしめて、一人で泣いた。
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むーみん - このお話切なくて、でも兄弟がお互いをとても思いやっていて大好きです。のんちゃが元気になってふたりに優しい未来が訪れますように。あうす様、がんばってください。り (2018年9月27日 22時) (レス) id: 179547feb9 (このIDを非表示/違反報告)
マリオ - 更新頑張ってください(^ν^) この作品大好きです! (2018年8月2日 3時) (レス) id: 92480d0cbd (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:あうす | 作成日時:2018年4月25日 4時