＞＞＞恋愛成就 ページ27
「……え」
呆けた顔で、口から溢れたのはたった一言。それだけだった。
「……え、いま、なんて」
「……私で良ければ、志麻とお付き合いさせて下さい。って言った」
Aの言葉を一つ一つ噛み砕いて理解していく。
まさか、そんな、嘘だ。
俺はとうとうおかしくなって都合のいい夢を見始めてしまったのかもしれない。
信じられなくて、Aをじっと見つめる。
ふわりと微笑んだAを見て、ようやくここが現実なのだと理解した。
その途端、鼻の奥がツンとして、視界がぼやける。
「ちょ、えッ、志麻！？」
やばい、泣くつもりなんてなかったのに。
急いで拭おうとしても、涙は止まる気配を見せない。
目の前で慌てふためくAを見て、可愛い、と、無意識に言葉が溢れた。
「あっ、えっ、えっ！？」
わかりやすく顔を赤くしたAに、俺はくすくすと笑う。
(――あぁ、気持ちを素直に伝えられるって、こんなに気持ちのいいことなんか)
「A、好きや。もう、どうしようもないくらい、好き」
「ちょ、ちょっと志麻、どうしたの突然」
「今まで我慢してた分、言いたくなったんや」
「……なにそれ」
少し照れながら、Aが笑う。
涙も少しおさまってきて、ぽつりと言葉を零す。
「……本当に、俺でええんか？こんな、泣くようなダサい男やけど……」
俺がそう問いかけても、Aはきょとんとした顔をするだけだった。
「何言ってるの。全然ダサくなんかないよ。志麻はカッコいいよ。
志麻“で”いいんじゃないよ。
私は志麻“が”いいの。
――私は、志麻が好きです」
Aの言葉に、顔が火照るのがわかる。
「もう、ほんま、そういうとこずるいわ……」
気持ちを落ち着かせるために、先程出された紅茶に口をつける。
「――最初はね、断ろうと思ってたの」
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 300人がお気に入り
お気に入り作者に追加
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
あぅ(プロフ) - さくたかさん» コメントありがとうございます！おまたせしてしまい申し訳ございません😭最後までお付き合いくださりありがとうございました！番外編、書こうか迷っていたのですが、需要がありそうなら書こうと思います！更新されるかもなので気長に待ってくださると嬉しいです(^^) (9月21日 22時) (
レス) id: c2c6d1f2f8 (このIDを非表示/違反報告)
さくたか - 前に見させて頂いた時は完結しておらず、結局見れず終いでしたが最後まで見られて良かったです。素晴らしい作品をありがとうございました。番外編もし書かれたりされた時には大いに喜ばせて頂きます😭 (9月20日 20時) (レス) @page35 id: d8a709d348 (このIDを非表示/違反報告)
あぅ(プロフ) - 彩華さん» コメントありがとうございます！作者のモチベに左右されて完結が遅くなってしまったこと、とても申し訳なく思います……好きな作品と言って頂けて、とっても嬉しいです😭こちらこそ、最後までお付き合いくださりありがとうございました！！ (9月18日 11時) (レス) id: c2c6d1f2f8 (このIDを非表示/違反報告)
あぅ(プロフ) - 零崎哀識さん» コメントありがとうございます！わ、何度も……！？本当に本当にありがとうございます😭そう言って頂けて、私もこの作品もとても幸せ者です……！こちらこそ、長くなってしまいましたが最後までお付き合いくださりありがとうございました！！ (9月18日 11時) (レス) id: c2c6d1f2f8 (このIDを非表示/違反報告)
彩華(プロフ) - 初コメ失礼します。とても好きな作品だったため完結まで続けてくださりとても嬉しいです。更新ありがとうございました。とても楽しかったです！ (9月17日 22時) (レス) @page35 id: 496c654ce8 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：あぅ | 作成日時：2022年9月11日 19時
