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夢の終わり ページ2

「ただいま」

その声に答える人間はいない。
当然だ。
本来ならこの時間家に誰もいないはずなのだから。

母はまだパートだし、姉はサークル。父は言わずもがなまだ仕事をしている。

自分だって、ホントはまだ学校にいる時間だ。

平日のこの時間、家にいることは記憶の限りない。
中高はこの時間部活で、小学生のときはクラブチームでサッカーに勤しんでいたのだから。

だがついに部活に顔を出さなくなった千切はここ数日連続でまっすぐ帰宅している。

「なにやろう……」

サッカーが中心に千切の生活は回っていていた。
それからいきなり離れてしまって、代わりに何をすればいいのかわからなくなってしまっていた。

テレビを見ようにも今の時間やっているのはニュースばかりだし、読みかけの本を読もうにも、平日の夕方からだとなんだか手に取ろうと思えない。
何より、何もやる気が起きなかった。

結果ふらふら外に出て野良猫と戯れに行くか、自室にいってボンヤリするかのどちらかだ。

今日は後者で、荷物を置くと着替えもせずにそのままベッドに腰掛けた。

そしてスマホに手を伸ばしスワイプしたのはいいものの、ホーム画面から画面は変わらない。
最近部屋に行くといつもこうだ。

途端にバカバカしくなり、そのまま後ろに倒れて寝転んだ。

しばらくそのままでいたが、何を思ったのか、ふと再びスマホに電源を入れた。
スワイプ。
そして無意識に開いていたのは、動画サイトだった。

あがき→←崩壊



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作者名:なっつ | 作成日時:2023年11月3日 9時

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