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夏休みに入ると何もやることがなくて暇だった
初めは物語や魔法薬の本を読んだり
みんなと手紙を送りあったりしていたが
中頃を過ぎるとそれも飽きて
手紙の話題もなくなりいつの間にか途絶えてしまった
ドラコとも"何処か出かけよう"と話をしていたけど
彼も彼で忙しいらしく結局未だに叶えられてない
『はぁ…退屈だわ…早くホグワーツに戻りたい』
ジェイ「Aお嬢様、ため息をつくと幸せがにげてしまいますよ?」
暇そうな私にお茶でもしましょう、と
ジェイが紅茶を淹れてくれた
『わかってるけど…。お父様とお母様はまたお出かけ?』
ジェイ「はい。フランスからのお客様がお見えになったそうですよ」
『そうなんだ…』
本当はジェイもお父様達について行く予定だったらしいが
代わりのしもべ妖精が見つからず
流石に私を1人にできない、と
今回は留守番をすることになった
『みんな何しているのかしら』
ジェイ「近頃はお手紙も来ませんからね…」
何か送ってみようかしら、と便箋と羽根ペンを手にしたが
気力がないのと暑さのせいで断念した
『ねぇジェイ、クッキーでも焼かない?』
気晴らしに何かしないとおかしくなりそう
昔、よくお母様が焼いてくれたクッキーを
自分でも作ってみたくなった
ジェイ「厨房へ行くのですか?奥様に怒られますよ?」
なんて心配するジェイをよそに
私はキッチンへ直行する
作ると言ってもレシピを知らないから
ジェイに手伝ってもらいながら作った
すごく時間はかかってしまったが
初めての割にはちゃんと形になった
『…意外といけるわね。そう思わない、ジェイ?』
ジェイ「えぇとても美味しゅうございます。Aお嬢さまの成長を感じられて、ジェイめは幸せでございます」
なんて目に涙を浮かべながらクッキーを頬張るジェイ
『ジェイ泣かないで、大袈裟よ』
いつか上手に作れるようになって
ドラコにも食べさせてあげたいわ…
その夜、片付けを忘れた厨房を見て
帰ってきたお母様に怒られたのはここだけの話…
そんな変化のない日々を過ごして
もうすぐ新学期が始まろうとしていたある日
久しぶりにハーマイオニーから手紙が来た
内容は"もし予定がないなら漏れ鍋へ来て"とのこと
新学期は一緒に行かないか、というお誘いだった
なんで漏れ鍋なのかしら…と思ったが
断る理由もないので、もちろん行くと返事を書き
それソフィアに持たせて夏空へ放った
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婭兎(プロフ) - 水衣さん» 水衣様、コメントありがとうございます!大好きなんてお褒めの言葉…嬉しすぎます🫶🏻 (5月23日 5時) (レス) id: 3c5c103705 (このIDを非表示/違反報告)
水衣(プロフ) - 面白いです…!このお話大好きです(♡>艸<) (5月22日 21時) (レス) id: 0620eebe98 (このIDを非表示/違反報告)
婭兎(プロフ) - ぽんみかんさん» ぽんみかん様、コメントありがとうございます!一気見なんて…嬉しいです😳🤍 (5月10日 21時) (レス) id: 3c5c103705 (このIDを非表示/違反報告)
ぽんみかん(プロフ) - 一気見しちゃいました、、、!更新待ってます(昨日コメントしたのですが、間違えて消しちゃって。2回目ですごめんなさい(ToT)) (5月10日 19時) (レス) @page16 id: 0620eebe98 (このIDを非表示/違反報告)
婭兎(プロフ) - なまたまごさん» なまたまご様、前作から引き続きありがとうございます!頑張ります! (2023年5月3日 17時) (レス) id: 3c5c103705 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:婭兎 | 作成日時:2023年4月17日 8時