【男主】腐っても王族【妖怪ウォッチ】 (ページ3)

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2話ページ3

エ｢A、か……今のは結構キタぜ……｣

エンマ大王は若干顔を歪めつつ、胸元にうずめられている兄弟の頭をくしゃりと撫でた。

『可愛い弟の一大事って聞いたからすっ飛んできたのに、心配して損だったじゃん』

エ｢その割にはもうほとんど終わった後だぜ｣

『えっウソやん……ちょっと人間界で遊びすぎてたかな』

たははーと笑いながらAはエンマ大王から体を起こそうとした。だがそんなAの行動を許さず、エンマ大王は再びAの身体を自分の方へと引き寄せた。

『え、エンー？どったの？突っ込んでいったの怒ってる？痛かった？ごめんね？』

エ｢痛みはあったけど怒ってなんかない。その…心配かけたな｣

『そりゃあ心配だったよ！下手したら死ぬんだぞ！？……あと、お兄ちゃんちょっと恥ずかしくなってきたからそろそろ離してもらえるとウレシイナー』

よくよく考えてみれば公衆の面前である。女性の妖怪たちはきゃあきゃあと声を上げながら見つめ、男性の妖怪たちも数名頬を赤らめつつ事の一部始終を見守っていた。

これには流石にエンマ大王も了解し、Aを拘束していた腕をアッサリと解いた。

『ふう……んで、なんでぬらりはボロボロなの？』

ぬ｢A様、これは……｣

『あ！まさか……エン、お前……』

突然Aから凄まじいオーラが溢れ出した。さっきまでのほのぼのとした雰囲気は何処へやら、何とも重々しい空気が立ち込める。

エ｢ま、待てA。別にこれはそんな――｣

『エンぬらだったのか～～～！！？？』

｢｢｢｢｢…………は？｣｣｣｣｣

叫び声の後の一瞬とも永遠ともとれる沈黙。その場にいる全ての者たちの頭上に一斉に｢？｣マークが浮かぶ。

ぬ｢い、いえA様、誤解です。私は――｣

『……いや待て、ぬらりがエンに無理矢理自分を痛めつけるように仕向けたって可能性も』

ぬ｢ございませぬっっ！！！｣

『じ、ジョークだってば。ほら触手しまえって』

(おまけ)
イ｢エンぬらかぬらエンかはともかく、エンマ大王×Aさんは確定と見ていいんじゃないですか！？｣

ウサ｢お前は少し黙るダニ｣