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HS「ふぅ、なんとか2週間は生きていけそうだな」
『そうですなぁ』
WZ「でもどーすんだよこの先。他に依頼きてたか？」
食料が入ったダンボールをトランクに積んでいると車に寄りかかりながらウジが私を見た。
いやぁ、月とマッチして絵になりますなぁ。
WZ「おい、聞いてんのか」
『聞いてるって。依頼は一応来てるけど、さ…』
WZ「？」
HS「どうした？」
『抵抗するなら殺してもいいって言われてる依頼なんだよね』
WZ「…そうか」
HS「…」
お金のためなら何でもする。
それが私たちなんでも屋。
だけど、私たちは生死に関わる依頼は受けないことにしてる。
どんなに悪いやつでも、もしかしたら誰かにとっては良いやつかもしれない。
どんなに嫌われてるやつでも、誰かにとっては失いたくない大切な人かもしれない。
だから、私たちは殺さない。
『ま、こんな世界にいて生死に関わる依頼は受けないなんて、そりゃ貧乏生活にもなるわ』
HS「それでも俺は絶対にやらねぇから、そういう仕事は。
絶対に」
チラッとホシを見れば、思い詰めたようにグッと拳を握っている。
ホシのやつ、まだ気にしてたんだ。
…そりゃそうか。
WZ「わかってるよ。俺たちだって同じ気持ちだっつーの。A、その依頼はやめとこう」
『言うと思った。既に断ってるよ』
HS「ウジ、A…」
WZ「ていうか、元々俺たちは殺しはしないルールなんだし、そういう依頼が来た時は俺たちに相談せずにAが決めていい」
『え、もしかして私ウジからの信頼激アツ？』
WZ「うざい、離れろ」
『えー、昨日抱きついてきたのはウジの方なのに！
ね〜、ホシ〜』
HS「…あぁ、そうだな！ウジが甘えてたぞ〜」
ホシは頭をぶんぶん振ったあと、笑顔になって私たちに飛びついて肩を組んだ。
仕方ないなぁ、手のかかるやつだ。
ウジの顔を見れば鬱陶しそうにホシの求愛を避けていたけど、本当は嬉しいんだろうな…
WZ「お前、いい加減離れろ！」
『えー、いいじゃんたまには』
WZ「いつもだろ」
『ウジきゅん照れてんの？』
WZ「っ〜」
いや、あれは本気で嫌がってんな。めっちゃイライラしてるもん。
この3秒後にホシは思いっきり殴られた。
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作者名：おてて | 作成日時：2021年9月22日 16時
