怪しいお仕事と恋の行方 (ページ42)

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そしてついにやってきた作戦当日。

商人たちが情報交換や娯楽のために開催されるパーティーがあって、

それにソアさんの旦那さんであるチ・ヘジンは毎回必ず参加するらしい。

そして、いつもは現場に出ない私も今回はホシのサポートに回るため、ドレスコードして一緒に潜入することになった。

ホシは声を出したら1発で怪しまれるしね。

『よし。ホシ！この作戦、絶対成功させてウジにピッカピカのかっけぇ車買ったろぜ』

HS「おうっ！
…ていうかさ、ずっと言いたかったんだけど」

『なに？』

HS「背中開きすぎじゃね？」

『そう？』

高級ホテルのガラスに反射して映る私のドレスはこの日のために新しく新調したもの。

別に変には見えないけど…

『ホシには変に見える？』

HS「いや、変って言うか…なんというか」

言いにくそうにゴニョゴニョと言葉を濁すからブスッと膨れる私。

似合ってないなら似合ってないってハッキリ言ってくれた方がいいんですけど。

『もういいから早く行こ』

HS「きっ、綺麗！！」

『…は？』

HS「綺麗だって、言いたかった…です」

幻聴かと思い、驚いて振り向けば。

恥ずかしそうに目線を逸らしていたホシと目が合って、また慌てて逸らされた。

この反応的に幻聴ではなさそうだけど…

まさかホシに褒められるとは思ってなくて動揺が隠せずにいると。

HS「…なんか言ってよ」

『あ、ごめ。まさか褒めれるとは思わなくて』

HS「俺だって褒めることくらいあるわ」

『あぁ、そう？ありがとう？』

なんか、こそばゆいなぁ。

普段お互いに褒めることなんてないから、どこかぎこちないけど、初々しいで表すほど可愛くはない。

うん。なんかこそばゆいが1番しっくりくる。

まぁ、褒められたのは素直に受け取るとして…

『だけど…
美人に変身したホシに言われても、ね…』

HS「なっ、せっかく褒めたのに！」

『嘘だって。ありがとうホシ』

HS「っ、」

『ほら、行くよ！』

HS「おう…」

すっかり大人しくなってしまったホシに、

慣れないことするからだよ、と思いながらも少し気分が良くなった私。

まだ顔が赤いホシの手を軽く引き、横に並ばせて会場に入っていった。