怪しいお仕事と恋の行方 (ページ33)

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中は薄暗く所々明かりが灯っている。

曲も雰囲気も大人っぽくてちょっと…

『エロいな』

WZ「黙っとけ。ん、あの人だ」

奥のテーブルにひっそりと座っている女の人。

わぁ、この店の雰囲気と女の人の色気が相まって目の保養になるなぁ。

きっとウジも鼻の下を伸ばしているんだろうと、チラッと横目で盗み見ると…

『…何その顔』

WZ「は？」

『なんでデレてないんだよ！真顔にも程があるでしょ。もっと鼻の下伸ばせ！』

WZ「なに意味わかんないこと言ってんだよ」

ほら、声かけるぞ。そう言ってスタスタと歩いていくウジの背中を追いかけた。

WZ「チ・ソアさんですね。依頼を伺いに来た何でも屋の【カラット】です」

SA「呼び出してしまってすみません。
どうぞおかけになってください」

ここでひとつ。

私たちの組織の名前はカラット。

ダイヤモンドくらい私たちの絆は硬いって意味でホシがつけたんだけど、今考えればもっと綺麗な女性組織がカラットって名前の方がしっくりくるよね。

WZ「俺はウジと言います」

『私はリンです。さっそく依頼の話を』

SA「私、どうしても許せないんです」

『おっ？』

大人しそうな見た目の割に結構食い気味なんだ…

SA「私は…私は！！
どうしても許せない相手がいるんです！！」

『「ﾋﾞｸｯ！」』

急に般若みたいな顔に変わってテーブルを叩いたソアさんにウジも私もビビる。

ソアさんひっそりいた意味無くなるけど？！

SA「あっ…
す、すみません。少々取り乱してしまって」

『少々所ではムグッ』

WZ「いえ、大丈夫です。話してくださいますか？」

私の口を塞いで、いつもより丁寧な話し方をするウジをジト目で見ると、

余計なことは言うな。

と無言で念を押された。

SA「簡潔に話します。

夫の浮気を調査して欲しいんです」

『「は？」』