怪しいお仕事と恋の行方 (ページ17)

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『んー、どこに行ったんだろ』

ジュンが待機していた場所に来ても見つからず、辺りを軽く見て回ってもいない。

WZ「何してんの、あいつ」

HS「一旦俺たちも探しに行くか？」

『いや、そっちで何かあっても困るし私が探す…

うっ！！』

HS「また転んだか？」

あー、やられた。

WZ「A」

HS「おい、大丈夫か？」

『ご、ごめん。しく…った』

HS「？！
おい！A！何があったんだ」

WZ「ホシ、行くぞ！」

背後から頭を殴ってきたのはあいつらで。

薄れていく意識の中で目に入ったエンブレムがキラリと光った。

全部、依頼主の策略だ。

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『っっ、いったぁ』

目を覚ますと襲ってきた頭の痛み。

それに耐えて、辺りを見回せば、今は使われていなさそうな廃工場だった。

腕は鉄骨の後ろで固く縛られて解けないし、相当強く殴られたのか後頭部から首筋に血が伝っている。

『だから痛いのは嫌なんだって…』

「やぁ、手荒な真似をしてしまって申し訳ないなぁ。うちのボディーガードは気性が荒いもんで」

一体何センチ盛ってんだと疑いたくなるくらい分厚い靴底をコツコツと鳴らして近づいてきたのは…

『これはこれは依頼主のキム・オクジュ様じゃないですか。
なぜあなたがこんなところに？』

OJ「理解してるくせによぉ言う。
今は時間があれへん。簡潔に言おう。

君をうちの専属として雇いたい」

太い葉巻きタバコをふかしながら、余裕のある口ぶりで話すキム・オクジュ。

OJ「お前さん、ハッキングが得意なんやってな」

『まぁ、ご存知の通りで』

OJ「金はなんぼでもあるし、新しい服も広い家だって用意したる。今の貧乏生活とはおさらばや。
お前にとってもウチの下で働いた方がよっぽどええで」

『つまり、野良犬じゃなくて飼い犬なれ。と？』

OJ「ガハハ！！ええ表現するやん。

どうや、ええ話やろ？」

このおっさんアホか？

痛いのが何よりも嫌いな私にこんなことしやがって、絶対後で股間に1発食らわしてやる。

『生憎、私を飼い犬にした際にはその欲望で膨らんだ腹に噛みつきますよ』

OJ「へぇ、そっちの方が躾のしがいがありそうやな」

『そして、もう1つ。

野良犬は群れで行動してるんですよ』

カチャッ

油断して気づかなかったであろうキム・オクジュとボディーガードの後ろには、既に…

ウジとホシが銃を構えていた。