怪しいお仕事と恋の行方 (ページ2)

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『あ、そっちに10人くらい行った』

WZ「了解」

『ちなみにあと1分で相手の防犯カメラ落とせる』

HS「ていうか、最初から落としておけば面倒なことにならなくて済んだんじゃね？」

『あんたらが待たないからだっつの』

HS「へへっ、すまん」

WZ「おい、くるぞ」

インカムから殴る音や人が呻く声が聞こえる。

きっとやられてるのは相手の方だと思うから心配しなくて大丈夫だろうけど、この仕事の成否は私の手にかかってる。

『よし防犯カメラは落ちた。
さて、どんなセキュリティが待ち構えてるかなぁ』

鼻歌を歌いながら目の前にあるパソコンをカタカタと動かして、敵のセキュリティシステムに乗り込む。

『んー、こりゃやばい』

WZ「なに？」

HS「お前ができなきゃこの仕事失敗だぞ！俺たちの首が飛んじゃうって」

『やー、できなくはないけど…』

HS「けど？」

『めんどくさい』

WZ「はぁ？！」

HS「俺たちはお前に殺されるのかぁ？！」

『いやぁ、だってこれ、結構面倒臭いよ？なかなか良いセキュリティだと思う。うんうん凄いな、敵ながらアッパレ！なんつってー』

HS「ふざけんなぁー！」

WZ「ちっ…」

『よし！退散しよ』

WZ「……おい、A。
お前、本当はできないんだろ」

『は？』

ウジの一言にカタカタと打っていた手を止める。

WZ「できないならそうと言えばいいのに。ホシ、退散するぞ」

HS「え、ちょ！せっかくこいつら倒したのに」

WZ「Aができないんだって。仕方ないよな、だってできないんだから。A、気にしなくていいから。誰にでもできないことはある」

『ちょっと待て』

WZ「何？できないからって謝らなくていいけど」

『できないできないってうるさいわぁ！！』

WZ「…できんの？」

『こんなクソセキュリティ…

10秒で片す』

腕をまくり、首を鳴らして他のパソコンの電源もつける。

こんちくしょう。ウジめ…見てなさいよ…

WZ「10秒って言ったな」

インカムで10、9、とカウントを始めたウジの声を片耳に何重にも重ねられたセキュリティを崩していく。

WZ「1、」

『おっしゃあ！どんなもんよ？こんなもんよ！』

WZ「はいはい、さすが」

『えへへっ〜ん』

私の監視カメラから金庫に入っていく2人を見届けて、一息つく。

あー、ぶっちゃけ危なかった…