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『ふふっ』
HS「な、なんで笑うのさ」
『実は私、スニョンが泣く度にいつも思うことがあるんだけど…』
HS「え?!なに?!」
『意地悪なことかもしれないけどいい?』
HS「…いいよ」
『スニョンが私のことで泣く度に、私のためにスニョンはこんなに泣いてくれるんだなあってちょっとだけ嬉しい気持ちもあるんだよね』
HS「なっ!」
『ね?意地悪でしょ』
顔を真っ赤にしているスニョンは耐えられなくなったのか、私の肩に頭を置いた。
熱があるんじゃないかってくらいスニョンが熱くて、肩に暖かさがじわじわと伝わる。
HS「恥ずい…」
『ごめんね』
HS「別に、いいけど…」
『あははっ、スニョン耳まで熱い』
HS「もうやめてよ!」
顔が見えないからせめて耳だけでもと、スニョンの耳を触っていると…
HS「っ、ヌ、ナ…やめて」
『あ、ごめん。痛かった?』
HS「違う…そうじゃなくて。
…変な気分になる」
『?!』
顔を上げてジッと見つめてくるスニョンの目には熱が篭っていて、つられて私も顔に熱が集まる。
『ご、ごめん。そんなつもりじゃなくて』
HS「分かってるよ」
沈黙の中に甘い空気が流れ始めるのが分かる。
スニョンの方からゆっくりと近づいてきて、優しいキスをする。
肩に置いていた手が後頭部に移動して、もう片方の手が背中に回って抱き寄せられた。
そこから段々と深くなっていって、もう戻れないギリギリのところまできている。
HS「〜っ、」
『?』
スっと離れたスニョンが大きくため息をつくから、このまま先まで進むと思っていた私は不思議に思った。
『どうしたの、?』
HS「本当はもっとしたいけど…
…明日、早朝から仕事なんだ」
スニョン言いずらそうに話したことは、私にとって意外なことで。
そんな顔しなくていいのになあ。
そう思いながら、手を握る。
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作者名:おてて | 作成日時:2023年3月10日 17時