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私がスニョンの片方の手を引いて、その手を両手で包むと、スニョンは眉を下げて、言葉を続けた。
HS「全部教えてとは言わない。だけどもし、
俺に言おうか言わないか迷った話があったら絶対に言って。
なんでもひとりで決めないで。
俺たち恋人でしょ？」
『！』
スニョンは私よりも年下で、実際歳だって21という数字は人生で見たらかなり若い。
正直、私のなかではまだまだ子供だと思っていた。
だけど、
今のスニョンはびっくりするくらい大人びてて、思わず握っていた手にきゅっと力が篭った。
『スニョン、なんか大人になったね』
HS「そ、そうかな」
『…スニョンごめんね。
私、またやっちゃったんだね。
前の喧嘩も今回も、不安にさせたくないからそうしたのに、結局は不安にさせて。寂しい思いをさせて。でも…
私はちょっとスニョンの考えとは違う』
HS「えっ…」
きっと、そもそもスニョンと私の考え方は違うんだ。
『私は昔から自分の意見とか思いを押し殺してきたから、あまり自分のことを人に言うってことが上手くできないみたい』
HS「っ。それはAが…
両親じゃなくて、お祖父さんお祖母さんに育ててもらってたことに繋がる？」
触れてもいい話題なのかと言葉を詰まらせたスニョン。
心配そうに眉尻を下げているその表情は初めてその話をしたときと同じ顔だ。
『うん』
HS「A、俺は」
『だからさ、スニョン』
一瞬、スニョンがぎゅっとと固く目をつむった。
『私から聞き出して』
HS「っ…？」
『私もスニョンの言う通り、迷ったら絶対に話す。
できるだけ同じことを繰り返さないようにしたいけど、多分…今の私じゃまた同じことすると思う。
だから、もしスニョンが少しでも気になったことがあったら聞いて。
ちゃんと全部応えるから』
スニョンの力んでいた手がじわじわと解けていくのが伝わってくる。
HS「びっくりした…」
『え？』
HS「別れようって言われるかと思った」
『そんなこと言うわけないよ』
HS「でも、今の間は心臓に悪かった」
『ふふっ、ごめん…スニョン？！』
いつものように冗談を言っているのかと思って、笑ってスニョンの顔を見れば、ぽろぽろと大粒の涙を零し始めていたから、私は思わずギョッとした。
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作者名：おてて | 作成日時：2023年3月10日 17時
