50 HSside ページ6
・
予定時間から既に15分が過ぎようとしていた。
一向に見つからないヌナを探し続けながら、後悔が募る。
ミョンホの言う通りもっと早くに変なプライド捨てて、素直にAに連絡するべきだったんだ…
半ば諦めながら最後の望みのタクシー乗り場を探していれば、
HS「Aっ」
人混みの中からキョロキョロと空いているタクシーを小走りで探しているAを見つけた。
その瞬間、心臓がドクドクと音を立て始めた。
普通に駆け寄ればいいのに、何故か余裕ぶって平然を装って近づく俺。
こうなったら歩いてでも…というAの言葉が聞こえて、それに対して返答すれば振り返ったAは驚いた顔をしていた。
うわ、久しぶりに会うAだ。
くそ、驚いてる顔可愛すぎるんだけど。
本当は会えて嬉しいのに、自分が自分じゃないみたいに思ってることと態度は裏腹になってしまっている。
結局素っ気ない態度のまま車まで来てしまったけど正直…
抱きしめてキスしたい!!!!
『スニョン』
HS「んー」
いや、でも急にキスしても変だよな。
あー、なんでさっきから素っ気ない態度ばっかりしちゃうんだよ俺!
『キスしていい?』
HS「ブッ!!!」
え?え、バレた?!
俺が考えてたことバレた?
戸惑う俺を逆にじっと見つめてくるA。
HS「一応、俺たち…
喧嘩してたんじゃなかったっけ?」
『そうだね』
HS「そうだねって…」
『スニョン、好きだよ』
あぁ、もうなんだ可愛すぎる!!
このまま…
HS「…その手には乗らないから」
ばっっかやろ!!!
何が、その手には乗らないから。だよ?!
なんでさっきから思ってることと言うことが違うんだ?!
素直になれない俺は気まづさから急いで車を発進させたけど、横目で見えるAは少し悲しそうだった。
ごめん、A…
何故か素直になれない俺を許してくれ…
・
1154人がお気に入り
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:おてて | 作成日時:2023年3月10日 17時