62 JNside ページ18
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JN「俺、練習室の鍵置いてから帰る」
HS「おー、じゃあ先歩いてるわ」
事務室に鍵を返してさあ帰ろうという時、開けっ放しの窓から冷たい風が入ってきて、身震いする。
少しずつ秋になって夜は寒くなってきたなぁ。
朝ミンハオに夜は寒くなるからTシャツのままはやめた方がいいと注意されたのを適当に流してしまったことを今更後悔していると…
『ジュナ？』
JN「あ、ヌナ」
さっきまで話題の人だったAヌナがたくさんの荷物を抱えながら歩いてきた。
袖を捲っているところから伸びる腕は細くて、大きめのパーカーはヌナを余計小さく見せている。
ヌナはちゃんとミンハオみたいに天気予報見たのかな、暖かそうだ。
『こんな遅くまで練習してたの？』
JN「うん。まぁ、そんなところ」
最後の1時間半はホシに潰されたけど…
『そっか、お疲れ様』
JN「荷物持つ？」
『あ、ほんと？正直大変だったから助かるよ。
ありがとう』
JN「どういたしまして」
ヌナの作業室につくと、ちょっと待っててと言われソファに座って待つ。
テーブルにはたくさんの楽譜が広がってて、周りを見渡してもあちこち散らかっている。
きっとヌナは整理整頓が苦手なんだろうな。
『夜遅くまで頑張ってたそんなジュナくんにご褒美です』
JN「？、これなに？」
『日本のお菓子だよ』
2つ渡された茶色い変な形のお菓子。
顔があるけど何なんだろう？
JN「アシカ？」
『あはは、違う違う。ひよこだよ。
饅頭で、中身は黄身餡なの』
JN「へぇ、じゃあいただきまーす。
…おお、美味しい！」
『でしょ』
そうか、この変な形のものはひよこだったんだ。
言われてみれば確かにひよこにも見える。
日本のお菓子美味しい。
そんなことを考えながら食べていると、俺をじぃーっと見てくるヌナ。
な、なにかついてる？
JN「ヌナ、そんなに見られたら食べにくいんだけど…」
『ごめんね、ジュナが可愛くてつい』
JN「ヌナの方が可愛いよ」
『ありがとう』
JN「ホシだってずーっとヌナのこと可愛いって言ってるし、惚気けるし。
特に最近はヌナの話を聞かない日はないよ」
『えっ、』
JN「！」
少し呆れた気持ちで軽く話した俺の言葉に、反応したヌナは顔を真っ赤にしていて驚いていた。
いつも冷静なヌナがそんな顔をするのを初めて見た俺もまた、同じように驚いてしまった。
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作者名：おてて | 作成日時：2023年3月10日 17時
