嫉妬魔ヘムチの奮闘記 2 (ページ12)

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WZ「で、結局元に戻ったわけ？」

『うん』

WZ「付き合ってたらこういう事があるのは仕方ないけどさ、あんまりやめてよ」

面倒臭いから。と付け足したウジにごめんと返す。

私の作業室に仕事をしに来たウジは、一通り終わったのか袋に入っていた夜ご飯を取り出して机に並べた。

WZ「ヌナの分もある」

『うわぁ、ありがとう』

WZ「あ。あとここでVライブするから」

『いいけど…ここで？』

WZ「スタッフに最近誰もしてないからそろそろしてくれって言われた」

『そっか。大変だね』

WZ「ファンと交流できるのはいいけど、時間とるのが大変」

『作業用で仕事してるとこライブすればいいのに』

WZ「それ完全にスポでしょ」

『それもそっか』

慣れた手つきでカメラアングルを調節し、ライブ準備をするウジを横目に、貰ったご飯の蓋を開けると。

美味しそうなビジュアルにお腹が鳴りそうになった。

あ、そういえば…

『くしゃみ我慢できるかな…』

WZ「別にしてもいいでしょ」

『誰かいることがバレたらあることないこと言われない？』

WZ「大丈夫。割とヌナの存在ファンは知ってるから」

『え？』

WZ「昔からいる一部のファンから…ほら」

渡させれたスマホを見てみれば、SEVENTEENの隣に私の名前が打たれた検索欄。

もちろん私はスタッフだから大きく話題になっているわけではないけど、PDであることや、SEVENTEENのみんなと仕事することがある人、みたいな記事がほとんど。

まさか自分の事をエゴサする日がくるとは…

批判的なコメントは見当たらず、寧ろ容姿を褒められていることに驚いた。

WZ「ヌナ、顔出しNGにしてないでしょ」

『そうだね』

WZ「時々レコーディング風景撮る時とかに、映るからファンは認知してるっぽいよ」

『そうなんだ。画面に写っても私のことなんて気にしないと思ってた』

WZ「ヌナは容姿が良いから目立つんじゃない？」

『…ウジに褒めれた…』

WZ「俺をなんだと思ってるの」

カメラに写るなんて、ほとんど写ってないと言っても過言では無いのにファンはよく見てるんだなぁ。

そんな事を考えていると、そろそろやるからと言ってVライブを始めたウジ。

ファンと交流している姿は普段見ているウジとはあまり変わらないようで、違う。

素を見せながらちゃんとアイドルしてるんだなぁ。

自分の容姿など気にせず、口いっぱいにご飯を入れる姿を見ながら、私も視聴者気分でご飯に手をつけた。

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