嫉妬魔ヘムチの奮闘記

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「え？今なんて」
『ふん！！！』


「うがっ！！！」



距離の近いキムさんに向かって思いっきり頭突きを食らわせれば、ちょうど鼻にクリーンヒットし、本人は鼻を抑えて床に尻もちをついた。



『私の大切な人を悪く言うな！！』

「っ〜！」



涙目になりながら私を見上げるキムさんにハッキリと言う。



『私を本当に幸せにしてくれるのは今の私の恋人だけ。
あなたなんかに幸せにしてもらう必要なんてないし、できないから』




ここでスニョンの名前を出せないことが凄く悔しいけど、仕方ない。

スニョンとこんな人を比べるまでもない。




『次、私の恋人を悪く言ったら頭突きじゃ済みませんからちゃんと覚えておいてくださいね』




鼻血を出しながら必死にコクコクと頷くキムさんにティッシュを渡すと、逃げるようにその場を去っていった。


あー、スッキリした。頭突きなんて久しぶりにしたなぁ。
まだ私の石頭は健在のようでよかった。




『、こんなことしてる場合じゃなかった』



スマホを取り出して急いでスニョンに連絡しようとしたところで、後ろからずっと聞きたかった声が聞こえた。






HS「ヌナ…」

『スニョン？！』




角から出てきたスニョンに驚き、まさかいるとは思わなかった私は不意打ちで動けずにいると。

ぶわっと泣き出したスニョンから飛びついてきた。





HS「っ、ヌナぁああああ」

『わ！』

HS「さっきのヌナ感動した！！ごめん、ありがとう俺、ほんとごめん！、本当は会いたくてっ、後悔してたんだ、でもヌナに嫌われたんじゃないかと思っヌナぁああ」

『ちょ、ちょっと。スニョン落ち着いて』





あぁ、なんか懐かしいな。

わんわんと泣いたまま、ひたすら何かを話すスニョンに圧されるけど、久しぶりのスニョンを感じて私は愛おしくて。

胸がジンっと温まった。




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