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HS「Aさん、準備は良い?」






帰ってきた俺たちはジョンハニヒョンたちがいる部屋の前に立っている。






『うん、大丈夫。
あと、さんは付けなくていい。Aでいいよ』

HS「!

…分かった。俺もスニョンでいい」

『スニョン…スニョン、頑張ろうね』


HS「うん。よし、行こう!」








扉のドアノブに手をかけた瞬間、逆の手をAにギュッと掴まれる。

その手は不安そうに少しだけ震えていた。





大丈夫だ。
絶対に捨てられるなんてことはないから。





そして俺は覚悟を決めて扉を勢い良く開けた。









SC「うおっ!びっくりした」

JH「なに、どうした。
そんな勢い良く入ってきて」







驚いたジョンハニヒョンたちの目線が一気に俺たちに集まる。

そして、ゆっくり3人の元に近づき、意を決して言った。







HS「ジョンハニヒョン」

JH「なに?」

HS「俺たちは必要ない?
俺たちはこれから追い出されるの?」

JH「!」







明らかに目を見開いたジョンハニヒョンを見て、答えなんて聞かなくても分かってしまった。

でも、こんなことで引き下がらない。



Aにも言ったんだ。

必要と思わせるって。







HS「ジョンハニヒョンたちが3人だけで病院を運営したいのは分かるよ。

Aはどうか分からないけど、俺は医療の知識なんてないし、何もできない。


だけど、それ以外は何でもするから!」






あ、やばい。





HS「今まで通り、頼まれたものはちゃんと調達してくるし、やれって言うんだったら医療の勉強もする、だから」

JH「スニョン…」





いざとなると…










HS「っ、だから、

俺を捨てないでよ」








泣きそうだ。
















いつから俺はこんなに人の傍にいることに執着する人間になったんだ。

孤児院でも、出てからも、仲間なんて欲しいなんて思ったこと無かったのに。




今はこの人の邪魔になることが悔しくて、

離れることが不安で、

捨てられることが怖くて、





すげぇ、嫌だ。








『私もスニョンと同じ気持ちだよ』

SC「A、」

『クプスオッパ、私もっと素直になるから。

言われたことちゃんとやるし、情報収集だって、ハッキングだって、もっと上手くなるから!

お願いだから、
必要ないなんて言わないでよ…』





Aも俺も、目から落ちるものは同じで、そんな様子を見ているジョンハニヒョンは険しい顔になった。





JH「お前ら…」







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作者名:おてて | 作成日時:2022年7月21日 9時

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