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JH「A、お前のその能力は簡単にできることじゃない。
今はまだなれなくても、Aが本気を出せば、国内で五本の指に入るくらいのハッカーになれる」
『な、なに、急に』
Aの言う通りだ。
全くそんな雰囲気じゃないのに、急に褒め始めたジョンハニヒョンだけど、
やっぱりふざけてるようには見えなくて、
真剣だった。
JH「スニョン。俺はお前の、」
HS「っ、
俺は！！」
俺はその先の言葉を聞くのが嫌でジョンハニヒョンの話を遮った。
その先の言葉を聞いてしまったらいつもの様に上手く言いくるめられてしまうんじゃないかと思った。
なんだよ。
結局は誤解じゃないじゃんか。
俺たちがジョンハニヒョンたちから離れなきゃいけなくなった状況は、何一つ変わってないだろ。
HS「…俺はただ喧嘩が強いだけだよ。
それ以外何にでもない。何も、凄いことなんて。
できるわけない…」
JH「スニョン。
お前のその強さはただの喧嘩の強さじゃないよ。絶対他に活かすところがあるし、俺がそうして欲しいと思ってる」
HS「…っ、」
JH「それにお前に勝てるやつはそうそういない。
いるとしたら、あの人の…」
途中まで言いかけた言葉を噤んで、
いや、なんでもないと訂正したジョンハニヒョン。
JH「…スニョン。
今まで俺なんかの指示にしたがって、働かせて、
…ごめんな」
HS「なっ、
なんでそんなこと言うんだよ」
JH「…」
今更、そんなこと言うなよ。
HS「俺は楽しかったよ。
毎日、文句言っても一緒に過ごすのは楽しかった。
っ、どんなにジョンハニヒョンにこき使われようとも、家に帰っておかえりって言ってくれる存在がいるのはすんげえ幸せだったよ！！」
俺の声が部屋に響いて消えた。
もっと説得力のある言葉を言いたかった。
子供みたいなことしか言えないことが悔しくて、
ジョンハニヒョンにそう思われてたことが悲しくて、
胸が…痛い。
JH「そっか、そうだったんだな」
HS「？！」
落ち着いた声が耳にスっと入り、自然と顔が上がった。
そして何より驚いたのは、
ジョンハニヒョンが今まで見たことないくらいの嬉しそうな表情で優しく笑みを浮かべていたことだった。
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作者名：おてて | 作成日時：2022年7月21日 9時
