マフィアの君と買われた私 (ページ37)

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『いきなりなんだけどさ、ジュン。

スイランっていう人知らない？』

JN「……

んー、誰の事だろう？わからないや」

『そっか…わかった！ありがとう』

JN「どういたしまして！」

『じゃあ、切るね。うん、またね』

スイランさんのことが気になり、唯一聞けるジュンに聞いたけど知らないみたいだった。

電話を切り終えてもモヤモヤは消えず、日に日に私の心に深くまで侵食してる。

『はぁ、ジュンも知らなかったのか…』

スイランという女の人の存在。

知っているのはやっぱりソンリェンっていうあいつだけだ。

小さな紙を開くとそこに書かれていたのは電話番号。

あの一瞬の隙にポケットに入れられたものはこれだった。

きっとあいつの電話番号だろう。

気になるけど、ミンハオがあいつに対する態度は異常だった。

きっと何かあるに違いない。

やっぱりコソコソするくらいならミンハオに直接聞くのが1番良いかもしれない。

『よし！』

少し緊張する気持ちを落ち着かせミンハオの部屋の扉をノックする。

MH「はい」

『ミンハオ、私』

ガチャリと音を立てて開いた扉。

MH「どうぞ」

『あ、ありがとう』

部屋に入るのは初めてだからその事もあり、さらに緊張が増す。

MH「Aが僕の部屋に来るなんて珍しいね。どうしたの？」

『聞きたいことがあって…』

MH「ん？」

『あ、あのソンリェンって人が言ってたスイランっていう女の人はミンハオとどんな関係だったの？』

ドクンドクンと、うるさいくらいにずっと鳴り続ける心臓が聞こえてるんじゃないかと心配になる。

ミンハオは少し顔を俯かせたあと。

MH「前の仕事仲間だよ」

と言って微笑んだ。

その時急に心臓が鳴りやんだ。

私にはわかった。

ミンハオは嘘をついてる、と。

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