マフィアの君と買われた私 (ページ26)

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あれからどのくらい経ったんだろう。

日はすっかり暮れて、カフェにいることを忘れていた。

そ、そういえば、

お店っていうことすっかり忘れて結構大きい声出しちゃったけど、大丈夫だったかな。

今はテラスに誰もいないけど、

さっきまで全然周りに目がいってなかったから分からないし。

いや、もう今更か…。

MH「ごめん、ありがとう」

『あ、うん』

顔あげて見えたミンハオの目は、少し赤くなって潤んでいる。

『ミンハオ、今日は帰ろう。そしてまた一緒に行こうよ。

次は別な街に！』

MH「うん。そうだね。

これからは街に行くときはAと一緒に行くよ」

ミンハオがどう思ったかはわからないし、気持ちが変わったかもわからない。

でも、少なくとも

これからは一緒に街に行こうと言ってくれたときは今までに見たことないくらいの

笑顔だった。

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『うん、多分もう大丈夫だと思う』

JN「そっかぁ、良かったよ」

受話器越しに聞こえるジュンフィの声は安心したようだった。

実はジュンフィに頼まれていたことがあった。

〝ミンハオを自由にしてあげてほしい〟

ってね。

よく分からなくて訳を聞こうとしたけど、何を聞いても、

Aにしか出来ないことだから

の一点張りで何も教えてくれなかった。

けど、昨日のことで何となくわかった気がする。

JN「やっぱりAに任せて良かった。

…俺じゃ、無理だったと思う」

『ジュンフィ…』

JN「えへへ、こんなの言い訳だよね。

踏み込むのも拒絶されるのも、怖かったんだ」

やめよやめよーしんみりしちゃうよね、と話すその声はひどく悲しくて。

心臓かギュッと握られるような感覚になった。

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