マフィアの君と買われた私 (ページ25)

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MH「僕はなんの意志も持たないあやつり人形だ」

ミンハオの口から零れる過去は、私の想像を遥かに超えていた。

MH「ね？聞かない方がよかったでしょ、こんな話。

僕のせいで母親は死んで、さぞかし恨んでるんだろうね。

先代の長だって、僕が必要だったんじゃない。無感情の僕を欲しがってたんだよ。

誰も本当の僕を必要としてないんだ…」

想像を超えていた、

けど…

『違う。過去はそうでも、今は違う』

MH「A、」

『綺麗事なんて辛い過去を経験した人には通用しない、だから過去を否定はしない。』

私もそうだから。

関係の無い人にどんなことを言われたって所詮、ただの言葉だ。

漫画やドラマのようにそう簡単にいかないのが現実。

『でも、過去があって今がある。それは事実。

私はミンハオに出会ってよかった。無くしかけてた生きる希望を貰った。

私は望んでる。

私はミンハオが必要なの』

ミンハオは俯いていた顔をそのまま私の肩に預けて、1度小さく深呼吸した。

MH「……少しこのままでいさせて」

『うん、いいよ』

どう足掻いても過去は変えられないし、変わらない。

それなら、過去が悲惨だった分、今を精一杯に自分のために生きる。

それを教えてくれたのはあなたでしょ、ミンハオ。

できるよ、絶対に。

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