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「逃げ場はもうねぇんだ。諦めろ」
『っ！離して！！』
掴まれた腕を必死に振りほどこうとするけど、体格のいい男の前には無意味だった。
それならっ
「いってぇ！！」
思いっきり男の腕に噛み付いた。
「この野郎！！」
『う”っ！』
案の定お腹を蹴られ、痛みで地面に蹲る。
MH「君たち何してるの？」
こんな状況には似つかわしくない少し高めの柔らかい声。
「はぁ？てめぇには関係ねぇだろ」
「お、おい待て！あいつは…」
背の低い男が、私を蹴った男を止め何かを言うと男たちは慌て出した。
「お、俺たちは仕事してんだ。邪魔しないでくれ」
男たちが気を取られてる今なら逃げるチャンスだ。
MH「やだなぁ。邪魔なんてしてないよ
あ、女の子だ」
『っ！』
意を決して逃げようとしたのに、謎の男が私を見つけたためせっかくの逃げるチャンスを潰された。
くそ、最悪！！
「てめぇ！逃げようとするんじゃねぇ！」
『いっ！』
男に髪を掴まれ完全に逃げれなくなってしまった。
掴まれた自分の長い髪を見て、お金がかかるからと言って美容室に行かせてくれなかった母親を心から恨んだ。
MH「それが仕事？」
「そ、そうだ」
「だから、もう俺たちは行かせてもらう」
MH「ふーん。そっか、頑張ってね」
特に興味もなさそうに話す謎の男をぎっと睨む。興味もないなら逃げる邪魔しないでよ、とそういう意味を込めて。
「ほら歩け」
くっそ腹立つ。
こんな男に逃げるチャンスを奪われるなんて。
髪を掴まれたまま軽く蹴られ、無理やり歩かされる。
『あっ、』
目の前に落ちていたのは鋭く尖ったガラスの破片。
これで髪を切れば逃げれる
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作者名：おてて | 作成日時：2020年4月27日 12時
