愛は故郷にありました。 (ページ39)

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診察ページ39

潤サイド

「おはようございます。体調はどうですか？顔色も良いね。」

にのと懐かしい話で盛り上がった翌日、連日の疲れでかまだ眠っているにのの代わりに
岩田さんの様子を見に部屋まできた。

A「あれ、和くんは？」

「にのならまだ寝てるよ。っていうか俺の質問には答えてくれないの？」

A「あ、大丈夫です。」

「まだ痛みはある？」

A「じっとしていたら平気だけれど動くとまだ痛いです。」

「そうだよね。痛みは3週間ほどでだいぶ良くあると思うよ。完全に治るまでには２か月は必要かな。東京へは戻ってくる予定はあるの？」

東京で手術をして無理やり退院して家も引き払ったとなるときっともう戻ってくるつもりはないだろう。

A「東京へは、どうだろう...しばらくは戻らないと思います。あこがれていた都会の生活、いろんなこと経験したので、またこの島でのゆっくり生活するもの悪くないかなと。私にはここのほうがあってるのかも。」

島にいるにはあか抜けすぎている雰囲気だけどな。
にののためにもきっと島にいたほうが良い。
にのは岩田さんに好意を持っている。
それは明らかで。
岩田さんもにののような優しくて思いやりがあり頼りのある男のそばにいれば良い。

「そうか。もう東京で診察することはないかな。じゃあ、お腹診せてくれる？」

念のため、手をこすり合わせる。冬じゃないから冷たくはないだろうけど長年の癖になっている。

和「おはよう。ごめん、すっかり寝坊だよ。」

岩田さんのお腹を診ていたらシャワーを浴びてすっきりした顔のにのが入ってきた。

「まだ診療開始までは時間あるでしょ？俺も岩田さんの主治医なわけだし。ここ押さえても痛くない？」

A「少し痛いです。」

和「やけに素直だなA。俺の時はなかなか診させてくれないし、大丈夫大丈夫ばっかりなのに。」

A「だって松本先生はお医者さんだから。」

「にのだって立派なお医者さんだよ。なあ？」

和「そうだよ。なんか地味に傷つく。」

A「だって和くんは昔から知ってるから。幼馴染だからさ。」

にのの顔が俺はそれ以上の気持ちがあるんだけどなって物語っている。
きっと岩田さんもにののこと好きだと思うよ。
なんとなく俺の勘だけど。

清「おはようございます。」

元気な声が病室に響いた。素敵なナースだな。