翌朝1 ページ25
和サイド
腕時計に目を落とすと6時半。
結局朝まで眠れたと思ったら痛みで目が覚めての繰り返しだった。
術後最初の夜は辛いよね。
治療のためとは言え身体をざっくり切って体内も皮膚も縫い合わせてるんだもん。
大けが負ったのと同じ状態なわけで。
麻酔の影響で吐き気も訴えたので吐き気止めを点滴に追加したり
喉が渇いたというので水を飲ませたり。
俺はほとんど睡眠がとれなかったけれどAが少し素直に頼ってくれたことが嬉しかった。
眠れている様子なので今のうちにシャワーをしてAのカルテを作成しておこう。
シャワーをすると眠気もすっきりとれてこれなら午前の診療にも影響なさそう。
診察室のパソコンを立ち上げAのカルテを作成する。
前任の先生は紙カルテだったのでパソコンに移行するのはほぼ手作業で。
患者さんが来るたびに重要な既往歴など入力していった。
さすがに10年経つと立派なカルテが出来上がってる。
新規の患者さんとしてAの名前を入力し、とりあえず昨日の処置について入力することに。
おはようございます、と元気の良い声が聞こえてきたので時計を見るとまだ7時。
「ずいぶん早いじゃない清水さん。」
清「入院患者さんがいらっしゃるし先生お疲れだろうと思って早めに来ました。」
「ありがとう。Aは眠ってるはず。30分くらい前に見た時は安定してた。」
清「じゃあちょっと見てきますね。先生、コーヒーいれますか？」
「お願いしまーす。」
若いのにしっかりしていて本当に助かっている。
清水さんがいなかったら絶対にこの診療所やっていけないだろうな。
Aのカルテを作成しながら
診断名や術式、既往歴な常備薬など必要な情報、ほとんど記入できないなって苦笑い。
どこの病院で手術したかだけれも教えてくれたらそこから情報もらえるんだけどなぁ。
でも本人の同意なしには無理だろうけど。
清「先生、Aさんちょっと呼吸が苦しいと訴えています。SPO2はRAで98%なんですけど。」
「はーい見に行くね。多分体のあちこち痛くて呼吸浅くなってるんだと思う。」
机の上に無造作に置かれている聴診器を手に取り清水さんと一緒に部屋に入るとわりとしっかり目を覚ましていた。
「おはようA、息するのしんどい？」
A「なんか苦しい、、、」
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作者名：ルパン
| 作成日時：2019年8月28日 20時
