愛は故郷にありました。 (ページ14)

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デート中断ページ14

和サイド

大好きな寿司を食べながら笑顔を見せるもののどこか引っかかる。
心から楽しんでるように見えない。顔色も悪い。
ぎっくり腰って言ってるけど何か別の病気でも抱えているのだろうか。
不安が押し寄せる。

「家まで送って行ったときにさちょっと腰診せてくれる？」

A「だーかーら、和くんには迷惑かけないって言ってるでしょ。明日も診療所あるんだし。もし具合悪かったら行くから、ね？」

「嘘だ、具合悪くても絶対来ないよAは。今もしんどいんでしょ？顔色良くないし痛いって顔に書いてある。ひどくなる前に、な？」

ここまで言って断ることはないだろう。
うつむいて気まずそうに居心地悪そうにするA。

「しんどかったらもう帰るか？お寿司は元気になったらまたいつでも来れるし。今日は帰ろう。」

Aの返事を聞く前にお会計を頼む。手早く済ませて店を後にする。

商店街を抜ければ駐車場があるんだけど、どんどんAの歩調がゆっくりになっていく。

「歩くの辛いか？」

A「うん、ちょっと休憩したい。」

大丈夫、平気っていうかと思ったけど予想外の答えだった。
あれだけ強がっていたのに。よっぽど辛いってことだろう。

見渡してみても休憩できるような場所はないしベンチも見当たらない。

「座りたいよね。でも休憩できそうなベンチないっぽい。あと少しで駐車場だけど歩けそうにない？腰が痛いの？」

うつむいて体を折り曲げたまま返事をしない。
腰をさすりながらかがんで顔を覗き込むと冷や汗をかいてる。

腰が痛いって感じではなさそうだけど。

「腰以外に痛いところある？ごめん、ちょっと触るよ。」

前かがみになって膝に手をついているAの手首をそっと触る。

ん？

こっちの心臓が驚くほどAの手首から伝わってくる脈が速くて弱い。
思っている以上に深刻な状態だな。家じゃなくて診療所に連れて行ったほうが良さそうだ。

「腰以外に痛いところはない？」

もう一度聞いてみる。

首を振るA。
何かよっぽど知られたくないことがあるのか、
本当に腰だけが痛いのか。