愛は故郷にありました。 (ページ11)

今日:69 hit、昨日:40 hit、合計:480,747 hit

デート?1 ページ11

和サイド

時計を見ると6時。あと３人か。
７時までにはAを迎えに行けるかな。

晩御飯はどこに行こうか。
おいしいところ、おしゃれなところたくさんできたんだよと言ったものの、何が食べたいか聞くのを忘れた。

ぼんやりしていたのか看護師の清水さんに肩をトントンと叩かれてしまった。

清「お疲れですか？」

「あ、違う違う。Aが帰ってきてて一人みたいだから晩御飯に誘ったんだけどどこに行こうかなって思ってさ。」

清水さんももちろん島の出身でAの2つ下だったけな。

「Aのこと知ってるよね？中学高校と同じだった？」

清「もちろん知ってますよ。でも私は3歳下なので中学入学したときには高校生だったのであんまり一緒に何かした思い出はないんですよ。」

なんせ島民の数、それも子供の数となるとそれこそ少ないので中学は一応は学年に分かれているけれど合同クラスになることが多い。だから中学や高校は同じ時期に通っていると先輩後輩関係なくみんな友達みたいになるんだよね。

「そっかそっか。」

清「ピザのおいしいカフェか野菜たくさん使ってるイタリアンはどうですか？あ、でもAさん東京に住んでるんだったらもっと地元っぽいお魚がおいしいところとかのほうが良いのかな。」

「そっかー。おしゃれなところよりもそういうところのほうが良いのかー。」

すっかり話し込んでしまっていたようで診察室のドアが開けられ患者さんが入ってきた。

患「和くんよー、デートの相談も良いけど俺のこと忘れないでくれよ。」

「あ、ごめんごめん。」

患「ごめんごめんじゃないよぉ。Aちゃんが久しぶりに帰ってきて浮かれてんの？」

「そんなことないよ。で、どうしたの？」

患「足ひねっちゃってさ。冷やしたんだけど全然痛みひかなくて。」

「左？ほんとだね腫れてるわ。ちょっとここに乗っけて。」

清水さんが台をタイミングよく出してくれる。

「触るよ。こここうすると痛い？」

顔をしかめるところを見ると痛いんだろうな。

「折れてないと思うけど腱かなり痛めたみたいだね。念のためレントゲン撮ろうか。」

患「どのくらいで治る？」

「1週間で痛み引くと思うけど完治は2週間くらいかな。」

患者さんといってもみんな島の仲間だから会話もほとんど友達を話す口調。
こういうのが気楽で俺には合ってるなーとつくづく思う。
でもふと東京の大学病院や県立の総合病院で働いてる同期のことを思うと焦るのも事実。