氷が融けるまで 【鬼滅の刃】

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「A！おはようございます！」


「アラン。今日も食べ物ありがとう。」


日常の一部となっている、週1のアランの訪問。


「今日はいつもの服ではないですね？日本の服ですか？」


「そうですよ。あれは訓練のときに着ます。」


まぁ…寝巻きのまま出てきてしまったんだけれども…


普通だったら失礼というか、だらしないが、アランだから分からないだろう。



「今日も上がっていきますか？」


「でも…Aはトレーニングじゃないんですか？」


今日は天気が比較的荒れてるしちゃんとできないから大丈夫。


「アランと話すと英語の練習にもなるし、楽しいんですよ。お気にせず。」


「………、




そうですか！じゃあ少し休みますね！」



…今の間はなんだったんだろうか。家に上がらせてるみたいで迷惑だったか？







、








「そういえば、Aの作ったお菓子、とても美味しかったです。


あのペースト、甘くていいですね！シベリアより好きです。」


「あんこですね。」


以前、約束通りアランに作ったぼたもちをあげた。


口に合わなかったら申し訳ないので、その場で1つだけぼたもちを食べてもらったら、とても喜んでくれて、


なんか自分で食べる分のぼたもちまでかっさられた。


「また食べたいです！」


「残念ながら小豆がもうないんですよ」


「持ってきますよ！」


…まじか。



「これ、最後の1つなのでどうぞ」


「え、本当ですか！嬉しい…！」


緑茶と共に最後の1つのぼたもちを出した。



自分は満足に食べられなかったけど、こうやって喜んでもらえるとそんなこと忘れてしまうな…



彼は大人びているけど、感情表現が豊かだと思う。



……素直で優しい炭治郎みたいに。



「Aって、ずっとトレーニングしているんですか？」


「……ずっと、か」



言われてみれば…


ここに来てから鍛練しかしてない気がする。当たり前なんだけど。



というか、それしかできることないしね。



「そうですね。そのために来たんですから。」



「…………大変そう…」



大変だけど楽しいんだよ。それが。



「強くなりたいんです。もっと。」


「でも、無理しすぎては身体に悪いですよ？」


…無理はしてないけど、








、









ｷﾞｭｯ



「……………A、！」


「！？」



両手を握られた。



え…これ、ここでは普通なの…？異性の手を握るって……






「今度、一緒に町へ出かけませんか？」

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