始めます。20。 ページ21
牛沢視点。
「牛沢くん、ちょっと話したいことがあるの。」
そう言って無理矢理引っ張って来られたのは人気の少ない裏庭。ここにわざわざ呼ぶなんて、なんとなく言われることは予想できた。
「私ね、牛沢君のことが好きなの」
「あっそう」
「あっそうって…。もっと興味持ってくれてもいいじゃん。」
「悪いけど、俺好きなやついるから」
「それって東雲さんのこと？」
「…。あぁ。」
否定してもややこしことになりそうなので、ここは素直に頷いた。彼女は驚くことは無かった。逆に、やっぱり、とでも言いたげな笑顔で俺を見る。気持ち悪い。それしか頭になかった。
「東雲さんにはフジくんがいるでしょ？」
「そんなの関係ない。俺が好きなのはAだから。」
「いい加減諦めなよ…。私にした方が楽になれるよ」
彼女の言うことは、最低ではあったが見事に今の俺の気持ちを救ってくれているようだった。確かに、今目の前の彼女に逃げてしまえばきっと忘れられるんだろう。でも。
“牛沢！”
あいつの笑顔が頭から離れない。やっぱり俺はAじゃないとダメなんだ。
「気持ちは嬉しいけど…ごめん」
しかし、それでも彼女は引き下がらなかった。
「牛沢くんはさ、諦められないんだよね？」
「…？あぁ。」
「でも、私も牛沢君のことそう簡単に諦められない。」
「何が言いたいんだよ」
「一つ、賭けでもしない？」
「は…？」
ニヤリと笑う。
「明日の体育大会ね。私、東雲さんと同じ順番の時に走るの。」
「だから、私がもしあの子に勝ったら、私と付き合って。」
「は…？｣
今の声は俺の声ではない。確実に後ろの茂みのあたりから聞こえた。…よく考えると聞きなれた声だ。すぐに誰かは察しがついた。
俺がそんなことを考えている間にも、彼女は勝手に話を進めていた。
「じゃ、明日楽しみにしてるね。」
誰もその条件を飲むなんて言ってないのだが。ただ、目の前にいるこんなやつより、今はAと話したいと思った。
彼女がいなくなり、俺はAの方へ足を運んだ。
「…あんなこと付き合って欲しくないなあ…」
今のは俺に対しての言葉なのだろうか。だとすれば凄く嬉しい。
我慢出来なくなり、つい声をかけた。
「…お前今の話聞いてたの？｣
すごく驚いた顔をしてる。そんな顔も愛らしくて、今すぐ抱きしめたいなんて思ってしまう。
俺ってこんなに気持ち悪い奴だったっけ。
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はるはる - すごくよかったです！何回を見てます！ (3月14日 15時) (
レス) @page36 id: 36b38a1b35 (このIDを非表示/違反報告)
ゆーか。(プロフ) - ポチ。さん» さ、最高ですかね…？コメントありがとうございます！！ (2017年9月28日 23時) (レス) id: 3b3ce5bb10 (このIDを非表示/違反報告)
ポチ。 - うっしいいいいいい！！！！ 最高ですわ。最高すぎますわ。 (2017年9月26日 22時) (レス) id: 5deafd338c (このIDを非表示/違反報告)
ゆーか。(プロフ) - しおりさん» お気に召されたなら良かったです！り、リアルなんですかね…？wコメントありがとうございます！ (2017年9月26日 18時) (レス) id: 3b3ce5bb10 (このIDを非表示/違反報告)
しおり(プロフ) - 面白かったですー^ ^！！うっしーがリアル！！笑 (2017年9月26日 14時) (レス) id: faab9ab15a (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ゆーか。 | 作成日時：2017年9月14日 18時
