勘違い21。 ページ22
女の子はキヨくんに怯えきった様子で逃げていった。
キヨ君の方に向き変えると、そこにはいつも通りの彼がいた。対応の変化が早すぎて、少し怖く感じる。
「ちょっと…話さない？」
私の手を取ってそういった彼に、抵抗なんてことはしなかった。
＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊
「俺さ、ほんとはAが俺のこと好きじゃないって知ってたんだ。」
キヨくんの口から流れ出る事の真相。私は何も言わずに話を聞いた、
「告白の時も断られるってわかってた。だから勘違いした“ふり”して、優しいAを騙したんだよ。」
最低なのは俺だったんだよ。とキヨくんは消えそうな声で言う。
乾いた笑いをするキヨくんに、私は騙された、とか、酷い、などとは思わなかった。
安心した。キヨくんも私と同じだということに。
「キヨくんの言う通りだったよ…」
「え…？」
「私もずっと最低なこと思ってた。どうせすぐに私のことなんか飽きるだろって。ちょっと付き合うだけだからって。好きなんかじゃなかったよ。」
私が話すと、キヨくんは隣で黙って聞いてくれた。
「でもね。あの時、キヨくんに勘違いしてるのは私の方だって言われて、ようやく気づいた。」
今の私は、これを言ったらキヨくんに迷惑だとか、振られるだとか、そんなことは考えてなかった。
肩を並べて歩いていたキヨくんの方へ向き、しっかりと目を見て言う。
「私、ずっとキヨくんのこと好きだった。ううん、今も好きだよ。」
泣きそうになるのを必死にこらえる。
わかってる。もう、キヨくんは私のことなんか好きじゃない。
私が勝手に、自分とキヨくんは同じだって、思い込んでるだけ。同じ最低な人間でも、好きという気持ちは限りがある。
自分を捨て、自分の親友を選んだ私を、きっとキヨくんは許さない。
「A…」
そう言われ髪に触れられる。
久しぶりのキヨくんの手の感触に、また一つ涙がこぼれた。
「今更、迷惑、だ、よね…。ごめんね…。」
これ以上ここにいたらまた後戻りしてしまいそうで。
怖くなってこの場を去ろうとした。
でも。
「待って」
キヨくんは私の手を引き止めた。
「やっぱり、Aはまだ勘違いしてるよ。」
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みこト(プロフ) - とても面白いです！ でもキヨｓ達って北海道弁だったような…。違っていたらゴメンナサイ！！ (2018年2月6日 22時) (
レス) id: 14fb73bd4f (このIDを非表示/違反報告)
ゆーか。(プロフ) - 百々さん» はじめましてー！こちらこそコメントありがとうございます！温かいお声掛けありがとうございます！これからも頑張ります！ (2017年10月2日 17時) (レス) id: 3b3ce5bb10 (このIDを非表示/違反報告)
百々 - はじめまして！コメント失礼します！とても素敵で一気に読ませていただきました!終わり方の雰囲気好きです‥！これからも応援しています！ (2017年10月1日 22時) (レス) id: 6f1fc7c20c (このIDを非表示/違反報告)
ゆーか。(プロフ) - みんとさん» 初めまして！こちらこそ、最後まで読んでいただきありがとうございます！！こういうコメントが励みになります！本当に、ありがとうございます！！！ (2017年9月28日 23時) (レス) id: 3b3ce5bb10 (このIDを非表示/違反報告)
みんと(プロフ) - 初めまして！素敵なお話読ませていただきました！仕事中に隠れて読んでいたつもりが大号泣で…！！最後まで一気に読み進めてしまいました！素晴らしい作品に出会えたことに感謝ですっ。ありがとうございます。他作品も是非まわらせていただきますね！！ (2017年9月28日 14時) (レス) id: 1c1ca7e1fe (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ゆーか。 | 作成日時：2017年9月10日 0時
