勘違い15。 ページ16
『ねえ、あの2人喧嘩でもしたの？』
『あんた知らないの！？…別れたんだって』
『うそっ！でもなんで？あんなにラブラブだったのに。』
『さあねぇ。でも噂によると、橘さんが降ったらしいよ。しかも結構ひどい振り方で。』
人の間に飛び交う噂。噂。噂。
聞いてて飽き飽きする。実際に見たわけでもないのに、自分が関係してるかのような口ぶりで誰かに自慢する。
あれから私たちの間には溝ができ、連絡も取らなければ話すこともなくなった。正確には、私が自分からキヨくんを拒否したのだ。
どうせいつかは終わる関係だったんだ。その時期が少し早まっただけ。
(今さら好きだなんて…言ったらきっと迷惑だろうし)
生活はキヨくんのいなかった頃に逆戻り。ご飯も、休み時間も、下校も、休日も。そのどこにも、キヨくんは存在しなかった。
しかし、一つだけ変わったことがある。
「Aちゃん、今度俺と遊ばへん？」
レトルトくんとの仲が深まったのだ。
あの日、初めてレトルトくんの気持ちを聞いた時は本当に驚いた。でも、あくまでも過去の話。私には関係ない、そう思っていたのに。
「別れたんなら、話は別やろ」
そんなことを私に言ってた気がする。レトルトくんが私のことを諦めた理由は、親友の彼女だったから。なのだから、別れたら気持ちが戻るのは普通なのだろうか。私が人に言えたことでもないが、レトルトくんもまた、かなりの悪い人だなと思った。
レトルトくんは私とキヨくんの関係を全て知っている。
私がキヨ君を騙していたこと。
それをキヨくんが知っていたこと。
そして。
私がまだキヨ君のことを好きだということ。
それを知ってもなお、レトルトくんは私のことを好きだと言ってくれた。
「Aちゃんもはよ楽になればええのに…。キヨくんなんか諦めて、俺にしなよ。」
俺の方がきっとAちゃんのこと幸せにできるよ、とレトルトくんは付け足した。
確かに、レトルトくんは私のことを好きなのだし、私もレトルトくんは嫌いではない。
ここで甘えてしまえば、全てなかったことにして新しくやり直せるかもしれない。
「…考えとく」
「またそれか。」
それでも私が思いを変えなかったのは、きっと微かにキヨくんとの関係を望んでいたからなのだろう。
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みこト(プロフ) - とても面白いです！ でもキヨｓ達って北海道弁だったような…。違っていたらゴメンナサイ！！ (2018年2月6日 22時) (
レス) id: 14fb73bd4f (このIDを非表示/違反報告)
ゆーか。(プロフ) - 百々さん» はじめましてー！こちらこそコメントありがとうございます！温かいお声掛けありがとうございます！これからも頑張ります！ (2017年10月2日 17時) (レス) id: 3b3ce5bb10 (このIDを非表示/違反報告)
百々 - はじめまして！コメント失礼します！とても素敵で一気に読ませていただきました!終わり方の雰囲気好きです‥！これからも応援しています！ (2017年10月1日 22時) (レス) id: 6f1fc7c20c (このIDを非表示/違反報告)
ゆーか。(プロフ) - みんとさん» 初めまして！こちらこそ、最後まで読んでいただきありがとうございます！！こういうコメントが励みになります！本当に、ありがとうございます！！！ (2017年9月28日 23時) (レス) id: 3b3ce5bb10 (このIDを非表示/違反報告)
みんと(プロフ) - 初めまして！素敵なお話読ませていただきました！仕事中に隠れて読んでいたつもりが大号泣で…！！最後まで一気に読み進めてしまいました！素晴らしい作品に出会えたことに感謝ですっ。ありがとうございます。他作品も是非まわらせていただきますね！！ (2017年9月28日 14時) (レス) id: 1c1ca7e1fe (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ゆーか。 | 作成日時：2017年9月10日 0時
