INCEPTION 2

二人のクリスマス-5 ページ23

SW「じゃ、行こっか。」

オッパに差し出された手を取って歩き出す。


手がかじかむくらい寒いのに、なぜか

私たちの掌だけがやけに熱い。


オッパが考えてくれたデートプランはこうだった。

キラキラ輝く素敵なイルミネーションを見て、

美味しいレストランで、ちょっと背伸びしたディナー。


最後に、夜景の見える街はずれの公園で

二人してベンチに腰掛けた。


オッパが一生懸命用意してくれたんだと思うと、


ひとつひとつがすごく大切な瞬間で。



『オッパ、夜景きれいだね』


SW「…うん。」



なにやら、言葉数が少なくなったあなたの横顔も、


どうしようもなく私の心をくすぐる。



『…オッパ、眠くなっちゃった？』


いたずらっぼく彼の顔の前で手を振ってみる。


SW「なってない！！ …なってないんだけど…」


『けど？』


SW「その……」



『…ねぇ、オッパ。』



SW「ん？」



『そろそろ、その紙袋の中身、教えてほしいな？』



デートの始まりから、


オッパがずっと片手に持っている、大きな紙袋。


気づかないふりをした方がいいのか悩んで、

とりあえずここまで触れずにきたんだけど…


さすがにそろそろ、教えてくれてもいいよね？

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