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「ちょっと面貸せやァ。」
いつか以来の柱合会議後、各々行動を取る中に派手だのなんだの言っている男に声を掛ける。
「不死川!いいぜ、俺も新婚生活の話が聞きてえと思ってたんだ!」
というのが数時間前。今はこいつを屋敷に招いて茶菓子を共にしている。Aは後輩から稽古の誘いがあったとか何とかで丁度屋敷を空けていた。
「でェ?誰の新婚生活の話だァ?」
「いてててて!顔潰れるだろが!!」
縁側で隣に座る宇髄の顔面を手で鷲掴んで手に力を込める。くだらねえこと言い触らしてるのはやはりこいつの仕業か。通りで隊員から変なことを聞かれるわけだ。
「けっ。余計なこと言い触らしやがって!」
「満更でもねえくせによ。」
「ぶっ殺すぞ!」
女も男もこぞって出鱈目な噂信じやがって。俺とAが恋仲、などという噂が隊内に出回っている。大元の内容は違ったんだろうが。全て、俺の横にいるこの大男のせいだ。
「それで?Aとはどんな感じよ?」
「あァ、毎晩丑三つ時にお前の似顔絵貼っ付けたお手製の藁人形に五寸釘打ち付けてるぜェ。」
「怖!お前ら意外と陰湿なのな!派手じゃねえ!!」
おはぎをばくっと一気に口に含む。
「で?本題は何だ?」
ジッと宇髄が俺を見る。口に入ったおはぎを咀嚼して、ゴクンッとそれを飲み込み口を開いた。
「Aとお前にはどういう関係がある?」
宇髄と視線がぶつかり合う。ずっと気になっていた。Aは俺のことを阿呆みたいに慕っているし、それはお館様は勿論、他の柱やあいつにとっての上官に対してもそうだ。後輩の面倒見だっていい。
音柱、宇髄天元
こいつにだけ、Aは態度が酷く冷たい。A自身があまり歓迎しているように見えねェ。
「気になんのかぁ?俺とAの関係が。」
ニヤっと笑い開かれた口から出た言葉が、気持ち悪いくらいに頭に纏わり付く。自分は知らないAと宇髄との関係。その関係は昔から気付いてはいたものの気になりだしたのはつい最近のことで、今じゃ常に頭の片隅に疑問として留まっている。
「そう怒るんじゃねえよ。」
「あ゛ァ゛?」
「話してやるよ。俺とAの関係、昔話をなぁ。」
宇髄の挑発的で勿体ぶる物言いに苛ついている自分がいる。Aが自分以外の誰かと何か深い関係があることが気になる。いや、気に入らねえのか。
Aのことをもっと知りたくなる。
この気持ちの名前は何だ。
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瑠璃瑚(プロフ) - 釈迦様さん» お恥ずかしい変換ミスです…作中一通り見直して訂正はしたのですが、まだ直っていない箇所が有ればご指摘頂きたいです。 (2020年2月19日 20時) (レス) id: f99ae6b9f6 (このIDを非表示/違反報告)
瑠璃瑚(プロフ) - しらとぅさん» なんとお優しい、、ありがとうございます!>< (2020年2月19日 20時) (レス) id: f99ae6b9f6 (このIDを非表示/違反報告)
釈迦様 - 師範が市販…°。:(°ε°)ブフッ! (2020年2月17日 0時) (レス) id: bccea59c19 (このIDを非表示/違反報告)
しらとぅ(プロフ) - 瑠璃瑚さん» いえいえ!誰でもミスはありますよ!これからも頑張ってください! (2020年2月8日 20時) (レス) id: 785ac6cfee (このIDを非表示/違反報告)
瑠璃瑚(プロフ) - しらとぅさん» ご指摘ありがとうございます!お恥ずかしい変換ミスをしてしまいました、、>< (2020年2月8日 20時) (レス) id: f99ae6b9f6 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:瑠璃瑚 | 作成日時:2020年1月11日 14時