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「Aさんは、鬼殺隊に入ってどれくらい経つんですか?」
「えっと…師範の弟子になって約二年経つけどそれより前のことだから…三年、とかかな?忘れちゃった。」
はあぁ〜Aさん、可愛いなぁ〜!!なんていうかこう、あの人の周りだけ気温が違うんだよ。いつもポカポカしてるっていうか。後輩の俺たちの訓練に付き合ってくれるし、その後のお喋りも付き合ってくれるし。
しかもAさん、めちゃくちゃ強いんだよな。階級は甲だとか。可愛くて強いってもうそれは正義じゃない?!
「Aさんはどうして不死川さんの元に弟子入りしたんですか?」
「誰よりも鬼への執着心が強いから、かな。」
「なるほど。だから禰豆子ちゃんのことも…」
ハッと慌てて口を手で塞ぐと、Aさんは少し困ったように笑みを浮かべ、バツの悪そうに答えた。
「師範も、悪気があるわけではないの。鬼殺隊員には家族や大切な人を鬼に殺された人が多くいて、彼らを突き動かす動力となるのは鬼を滅することだから。鬼を敵対視して当然なんだよ。」
「じゃあ、Aさんも…?」
炭治郎が問うと、思わず耳を塞ぎたくなるくらい酷い音が、Aさんから聴こえた。
「私には両親と兄弟がいたんだけど、両親と弟が鬼になってしまって兄は鬼になった母に殺されたよ。私だけが運良く生き残ったの。」
チリチリと、悲しさに紛れて何かが燃えるような音がAさんから聴こえる。Aさんも心を燃やしているんだ。俺とは違って明確な目的と覚悟を持っているAさん。強くて当たり前だよな。
「師範はきっと覚えていないと思うけど、後に現場に駆けつけた師範はその状況を見て、ひとりになった私をひどく気に掛けてくれたんだ。優しいところもあるでしょ?」
「えへへ」と笑うAさんからはとても嬉しそうな音がした。
「入隊後師範と再会した時、やっぱり師範は私のことを覚えていなくてね。その時は冷たく当たられてしまったけど、今じゃ私を弟子にしてくれて、毎日私の相手をしてくれるの。」
不死川さんの話をするAさんはとても綺麗で、一緒にいて心地が良い。Aさんは不死川さんのことがとても好きなんだろうなぁ。
やだちょっと待って?気付けば俺、惚気話聞かされてた?風柱ってばなにちゃっかりAさんのこと落としてんの?!
「とんでもねぇ風柱だなぁ?!」
「ちょっと?!私の話聞いてた?!」
俺の行手を阻む風柱!許さないからな!
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瑠璃瑚(プロフ) - 釈迦様さん» お恥ずかしい変換ミスです…作中一通り見直して訂正はしたのですが、まだ直っていない箇所が有ればご指摘頂きたいです。 (2020年2月19日 20時) (レス) id: f99ae6b9f6 (このIDを非表示/違反報告)
瑠璃瑚(プロフ) - しらとぅさん» なんとお優しい、、ありがとうございます!>< (2020年2月19日 20時) (レス) id: f99ae6b9f6 (このIDを非表示/違反報告)
釈迦様 - 師範が市販…°。:(°ε°)ブフッ! (2020年2月17日 0時) (レス) id: bccea59c19 (このIDを非表示/違反報告)
しらとぅ(プロフ) - 瑠璃瑚さん» いえいえ!誰でもミスはありますよ!これからも頑張ってください! (2020年2月8日 20時) (レス) id: 785ac6cfee (このIDを非表示/違反報告)
瑠璃瑚(プロフ) - しらとぅさん» ご指摘ありがとうございます!お恥ずかしい変換ミスをしてしまいました、、>< (2020年2月8日 20時) (レス) id: f99ae6b9f6 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:瑠璃瑚 | 作成日時:2020年1月11日 14時